対馬・核のごみ処分場選定 文献調査応募反対を市に請願 市民団体が方針

 対馬市の市民団体「核のごみと対馬を考える会」は12日、原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の第1段階となる文献調査に応募しないよう市に求める請願を、6月に市議会へ提出する方針を明らかにした。
 請願は、賛否で市民感情が二分されることや、地元経済への風評被害、処分場の安全性を懸念。市議会は2007年に誘致反対を決議しており、重く受け止めるべきと主張している。
 同会は12日、請願と同趣旨の署名活動も開始。市民や同市にゆかりのある島外在住者らに働きかけ、街頭活動も計画している。目標は5千筆。6月5日に比田勝尚喜市長と初村久藏市議会議長に提出するという。
 同会は07年、市内で処分場誘致の賛否論議が活発化し、誘致に反対する目的で発足。論議の再燃を受け、今年4月以降、市民向けに最終処分場問題について考える公開講演会を開くなどしている。
 同会の上原正行代表(78)は「既に1次産業に風評被害は出ており、安全性に市民は納得していない。市長や市議会には調査に反対と言ってほしい」と話した。

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