映画『THE FIRST SLAM DUNK』応援上映、原作未読オタクの感想は?野太い声「三っちゃーん!!」に会場が爆笑

2022年12月の公開以降、日本のみならずアジア圏を巻き込んだ一大旋風を巻き起こしている映画『THE FIRST SLAM DUNK』(ザ・ファーストスラムダンク)。
上映開始から間もなく半年が経つ現在も、その勢いは衰えることがありません。そんな劇場版スラムダンクの「応援上映」に足を運んでみました。

※記事の性質上、多少の内容ネタバレを含みます。

映画『THE-FIRST-SLAM-DUNK』公式サイトより

未履修のオタクだけど「これは普通じゃない」と予感した

ちなみに応援上映にまで足を運んでいるものの、私はその時点で原作も読んでいなかったいわゆる“スラダン未履修勢”のオタク。
応援上映で映画自体の視聴は2回目ですが、そんな原作未読の人間が今回応援上映に行くに至った経緯も、念の為簡単に説明しておきます。

【1】映画公開時、世代前後なのもあり異常なまでの周囲の熱量を「すごいなあ」と遠目に見る。とはいえ原作未履修のため、この時点で映画に行く気はあまりなし。ふんわりキャラ数人の顔と名前、有名な名言ぐらいは知っている程度でした。

【2】原作大好き・非オタクの友人知人までもが何人も映画に複数回行ったと知る(アニメ映画を何回も見るのってオタクだけじゃないんですか…!?)

友人に借りた原作漫画。この時点では未履修です

その時点で「この映画は普通じゃない」と思うと同時に、「無限列車編もむしろ原作未読の方が衝撃だったしな…」という鬼滅オタクの経験則もあり、「もしかしたら原作未履修の今しか味わえない感覚があるかも!?」と考え映画へGO!

【3】同時期に都心部で応援上映が開催。SNSのレポを見ていると地元でも開催決定。行くっきゃない!と参加を即決。

……という経緯ですが、実は応援上映への参加自体も初めての経験。そんなスラダン&応援上映初心者でも、今回の映画は非常に楽しめる体験となりました。

ガチ勢からライト層まで。様々な世代であふれる

まず印象的だったのは、応援上映も極端な“作品ガチ勢”ばかりではない点。
もちろん湘北ジャージを着ているファンやポスターと推しのグッズの写真を撮る人たち、そしてTHE・応援上映!というムードのお手製うちわやお面、キンブレを持参のオタク女子もいましたが、そうではない人もたくさん。

人生初の応援上映です…!

私のいた劇場では、グッズを持った気合い充分なファンと普通の人の割合は、体感でおよそ3:7ぐらい。
応援上映は作品ガチ勢ばかりというイメージだっただけに、これは少し意外な光景でした。

またネット予約の際も席はそこまで埋まっておらず、上記の印象もあり「地方だし人も少ないかな…」と思いきや、いざ劇場に入ると中はほぼ満員! 夜の上映とは言え平日だったこともあり、これにも少し驚かされました。
入口近くの席でよく見えたのですが、劇場に入った瞬間「うわ、人多っ!」と驚くお客さんもちらほら。私と同じことを考えた人もどうやらかなり多かったようです。

客層も非常に様々で、若いカップルや女子高生に綺麗なお姉さんたち、男性グループや親子、中には一人参戦の女性や男子高校生も。
皆が一様に配布された鳴り物を手に、そわそわと映画の始まりを待っていたのも印象的でした。

野太い声援に爆笑!“彩子の女”も発見

映画本編は皆思い思いに声を出して応援したり、シュートが決まった時には鳴り物を鳴らしたり。会場全体に一体感が生まれて、まるで本当に試合を見ているような気分に。

時にはあちこちからオタクの心の叫びが聞こえてきて、つい笑ってしまうシーンも多々ありました。人気の高い湘北メンバーのみならず、山王の選手にも随所で歓声が。

どこかから男性の「三っちゃーん!!」という野太い声援が聞こえた際は、会場全体が大きな笑いに包まれました。

山王高校の堂本監督への黄色い声が想像以上に大きかった点や、マネージャー・彩子さんの“強火の女”が居た点。また転校生・宮城の自己紹介シーンでは「お名前教えてー!」という声や、宮城と三井の喧嘩シーンでは「前歯気を付けてー!」という心配の声が飛んできたり。そういった一幕も、上映中に思わず笑ってしまった所ですね。

一方でシリアスなシーンは皆一様に声を潜め、物語の展開を静かに見守ることも。

また二か所ほどある先の辛い展開を思わせるシーンでは、客席のあちこちから「やめてー!!」「行かないでー!!」という悲痛な叫びも挙がりました。
盛り上がる応援だけでなく、そういったハラハラドキドキや感情の起伏も、会場全体の一体感の中で味わえる。それもまた、声出しOKならではの醍醐味ですね。

個人的には大声とまではいかずとも、試合の中で痛烈なシュートやナイスプレイの際に「うわっ!」「おお~!」といった心の声がつい口から出てもOKなところは、応援上映の非常に有難い点だと感じました。

作品ガチ勢でなくてもそういったストレスなく映画に没頭できる。それもまた、応援上映の良さのひとつなのでしょう。上映後、1回目の鑑賞時同様に無事「最高…………………」となりつつ劇場を後にしたのでした。

原作未読&ミリしらでも問題なく楽しめる映画スラダンは必見の一作

興行収入150億、観客動員1000万人突破も目前の映画『THE FIRST SLAM DUNK』。
様々な劇場特典の追加配布も決まる中、もしかしたら今後も再度応援上映の可能性があるかもしれません。

劇場に何度も足を運んだ人のみならず、原作未読勢も楽しめる本作。上映が続く今のうちに、気になる方はぜひ。

ちなみにその後応援上映を経て、私はついに借りていた原作にも手を出しました。一晩で15冊一気読みし、現在山王戦に突入しています。最推しは三井寿です。

(執筆:曽我美なつめ)

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