首の痛みはどこへ? 6位浮上の松山英樹に“らしさ”が戻って来た

体に痛みを抱えながらも6位で決勝ラウンドに進んだ松山英樹(撮影/服部謙二郎)

◇米国男子◇AT&Tバイロン・ネルソン選手権 2日目(12日)◇TPCクレイグランチ(テキサス州)◇7414yd(パー71)

首の痛みなどが不安視された約1カ月ぶりの大会初日に「66」を出すも、「最低限のスコア」と語っていた松山英樹。この日も6バーディ、2ボギーの「67」と4つ伸ばし、通算9アンダーの6位に浮上しながら、まだ物足りない様子が伝わってくる。やはり試合が始まるとスイッチが入るのか、簡単には満足しない“らしさ”が戻ってきた。

2日目は特にアイアンが冴えわたった。出だしの1番でフェアウェイバンカーから1.8mにつけてバーディを奪うと、7番(パー3)では211ydから1m強、11番は148ydを3m、13番は177ydを1.5mにつけるなどチャンスを多く作った。

17番パー3はスタジアムのよう。ギャラリーの歓声が飛ぶ(撮影/服部謙二郎)

「(ショットは)そんなに良かったですかね? あんまり覚えていないです。いろいろとやりたいことがいっぱいあるので、それでいいショットも忘れている感じですね」。スイングの悩みを吐露するあたり、こちらの“らしさ”も健在だ。

この日はパッティングも良く、パットの貢献度を示すストローク・ゲインド・パッティングは全体の15位。「そんなにいいわけじゃないですが、何をしたいかをしっかり決めて、それができたところは上手く打てました」と評価しながら、「(約5mを外した)17番などチャンスのところでちゃんと打てないと、ああやってワケの分からない外し方をしてしまう。やることをしっかりやらないと…」とボヤきも続く。

16番で3m超のパーパットを決める(撮影/服部謙二郎)

唯一この日不安定だったドライバーは、実は初日の試合後の練習でヘッドをスリクソンの「ZX5 MkII」から「ZX5 MkII LS」へ替えていた。それも「もっといいクラブはないか」という向上心からくるもの。「自分が悪いのか、クラブが悪いのか分からない。昨日まで使っていたドライバーか、マスターズまで使っていたドライバー(ZX5)に戻すか、もう一度考えます。いい状態で明日のスタートを迎えられたらいいと思う」と、探求は尽きない。目の前の試合というよりは、次週のメジャーに向けてのドライバー探しであることは間違いないだろう。

ドライバーは手を離すシーンが多かった(撮影/服部謙二郎)

この日は一日を通して、ショット後に顔をしかめるシーンはなく、「(首痛に関して)無理に頑張るのではなくて、もういいやと受け入れてやっています」と新境地に入った様子。トップと5打差という好位置で迎える週末となったが、「伸ばさないとチャンスはないと思う。良いスコアで回れるように準備をしたい」と前を見据える。表情にも松山らしさが戻ってきた。(テキサス州ダラス/服部謙二郎)

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