災害ごみ100台700メートル 車両長い列

災害ごみを運ぶ車両で混雑する仮置き場周辺=13日午前10時15分、珠洲市蛸島町

  ●帰省、片付けに汗/仮置き場、週末混雑

 珠洲市で震度6強の地震を観測してから2度目の週末を迎えた13日、市内では休日に帰省した人が早朝から被害に遭った実家の片付けに汗を流した。市営野球場駐車場に設けられた災害ごみの仮置き場には、平日は仕事で運搬できない住民が次々と訪れ、壊れた家財道具や家電などを荷台いっぱいに積んだ車両が約700メートルの列をつくった。

 金沢市の瀬戸裕介さん(39)は被害のひどかった正院町にある実家の片付けに訪れた。両親が2人で暮らす家は窓ガラスが割れ、タンスが倒れるなど足の踏み場もない状態だったという。

 瀬戸さんは「両親には危ないので重いものは片付けないように言っていた。この週末でやれるところまで片付けたい」と話した。父康男さん(68)は「片付けの速さが全然違って助かる」と喜んだ。

 災害ごみの仮置き場周辺の道路には、軽トラックなど100台以上が並び、午前中から混雑した。

 蛸島町の会社員坂東橋雅之さん(38)は同僚から軽トラックを借り、崩れた塀のブロックなどを運び入れた。平日は仕事で災害ごみを運べないという坂東橋さんは「混むと予想していたが、これほどだとは思わなかった。開設時間を延ばしてほしい」と話した。

 11日から活動を開始した災害ボランティアも、復旧に向けてフル稼働した。災害ボランティアセンターを運営する市社会福祉協議会によると、13日は38人が正院町や蛸島町、三崎町で活動した。ボランティアの派遣要請は活動開始後に急増して150件を超え、ボランティアの登録も増えている。

災害ごみを仮置き場に捨てる住民=13日午前10時、珠洲市営野球場駐車場

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