
熊本県の立野峡谷に子どもの歓声、7年ぶりに響く-。熊本地震で被災後、今夏の全線再開に向けて試運転が続く南阿蘇鉄道(高森-立野、17・7キロ)で13日、観光トロッコ列車を子どもたちがモニター試乗するイベントがあった。トロッコ列車が復旧した鉄路や鉄橋を疾走し、子どもたちは阿蘇の絶景を一足早く楽しんだ。
同鉄道は2016年4月16日の本震で甚大な被害を受け、南阿蘇村の中松-立野間(10・6キロ)で不通が続く。イベントは、今年7月15日の全線再開を前に、試運転中の列車にモニターとして乗ってもらおうと、小中学生新聞「くまTOMO」と協力して実現した。

あいにくの雨の中、くまTOMOサポーターの小中学生と保護者34人を乗せたトロッコ列車が高森駅を出発。田植え中の田んぼや阿蘇の雄大な山々を満喫し、架け替えた第一白川橋梁[きょうりょう]を渡ると歓声が上がった。
立野駅では、熊日の亀井宏二編集局長が出迎え、「大変な苦労を経て開通を果たした。今日のことを覚えておいてほしい」とあいさつ。復旧の道のりについて説明した中川竜一鉄道部長が「全国の支援のおかげで、最後まで諦めずに頑張ってこられた」と語った。
帰路は新車両「MT4000形」に試乗。熊本市立田迎西小5年の男子児童は「トンネルを抜けて橋を渡るのが楽しかった」と笑顔だった。(河北希)