週末、ごみ出しに車列 仮置き場、片付け急ピッチ

災害ごみを持ち込もうと長い車列ができた珠洲市営野球場周辺=13日午後3時、珠洲市蛸島町(ドローンから)

 震度6強の地震を観測した珠洲市で、災害ごみの仮置き場が開設されてから初の週末を迎えた13日、破損した瓦や家財道具などを荷台に載せた車両が長い列をつくった。休日を利用して帰省した人などが片付けを急ピッチで進めたとみられ、市によると、これまでで最多の延べ663台が利用した。

 9日から珠洲市三崎町粟津の実家に戻っている京都市の主婦西川寿美恵さん(56)は、ほこりだらけのじゅうたんや割れた食器などを運び込んだ。「もう京都に帰るが、ごみはまだまだある。また珠洲に来ないといけない」と汗を拭った。

 内灘町の会社員大門正和さん(46)は友人に軽トラックを借りて野々江町にある実家に駆け付けた。70代の両親は運転免許がなく、大門さんは「手伝いができるのは今日だけ。もっとたくさん運べる大きなトラックがあればよかったが、できるだけ片付けたい」と話した。

 仕事などで平日にごみを運搬できない人が多かったとみられ、仮置き場が設けられた蛸島町の市営野球場駐車場の周辺道路は、一時100台以上が700メートルにわたって並ぶ事態となった。このため、市は午後から車両の流入ルートを二つに増やし、職員らが誘導に当たった。

 泉谷満寿裕市長は取材に「今後も臨機応変に対応し、早く復旧できるよう支援する」と述べた。市はスムーズな積み降ろしのため、事前の分別を呼びかけている。

 この日は災害ボランティアとして42人が正院町、蛸島町、三崎町などで活動した。ボランティアセンターを運営する市社会福祉協議会によると、派遣要請は180件を超えた。

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