山の一面に白くて神秘的なシャガの花 京都・綾部の群生地で見頃

群生地で見頃を迎えたシャガの花(綾部市老富町)

 シャガの花が、京都府綾部市老富町の群生地で見頃を迎えている。陽光が降り注ぐスギ林で、小さな白い花が咲き乱れる神秘的な風景が観光客を魅了している。

 シャガは初夏に咲くアヤメ科の多年草で約5ヘクタールに自生する。管理する住民団体「水源の里・老富」によると、約10年前に雪の重みで倒れたスギを間伐したところ、日当たりが良くなり広がったという。今年はシカの食害や冬の大雪で生育不良が続き、例年より約1週間遅く咲き始めた。

 観光客らは、地表を覆うように開花した花びらを観察したり写真を撮ったりしてスギ林を散策している。4年ぶりに訪れたという舞鶴市丸山町の永井正己さん(79)は「山の一面に咲く光景はスケールが大きくてきれい。今年も見られて良かった」と話していた。

 見頃は5月下旬まで。水源の里・老富は保全協力金200円を募っている。

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