SAGAアリーナ、オープン 佐賀に「世界基準の空間」 記念式典に県民4500人参加

テープカットする(左から)佐賀商高柔道部の中野弥花選手、山口祥義知事、大場芳博県議会議長

 佐賀県が佐賀市日の出に整備したSAGAアリーナが13日、オープンした。県民約4500人が記念式典に参加し、「新時代のエンターテイメント空間」の誕生を共に祝った。従来の体育施設と異なり、スポーツだけでなく、コンサートや展示会など多様な活用が見込まれている。山口祥義知事は「日本屈指のアリーナ、世界基準のアリーナになった。多くの感動がここから生まれる」と期待を込めた。

 アリーナは、SAGAアクア(プール)やSAGAスタジアム(陸上競技場)で構成するSAGAサンライズパークの中核施設。2024年の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会のメイン会場として、16年から始まったパークの整備は、アリーナの完成により終了した。パーク全体の整備費は540億円で、このうちアリーナに257億円を要した。

 アリーナは延べ床面積約2万9800平方メートル、地上4階建て(高さ約30メートル)の鉄骨造り。最大勾配35度の観客席は8400人を収容でき、サブアリーナも備える。シルバーの特徴的な外観は、アリーナから見える山並みに調和する景観を目指し、県の伝統工芸の緻密さをイメージして設計している。

 式典では、山口知事や来賓、高校生アスリートなど38人でテープカットした。室伏広治スポーツ庁長官がビデオメッセージを寄せ、「地域のにぎわいを創出し、市民や県民にとどまらず、世界中の人々を魅了する施設になることを期待する」とエールを送った。

 吹奏楽部の演奏、バレーボールとバスケットボールの公開試合で地元の中高生が花を添えた。アリーナを体感した16歳以下日本代表候補で鹿島西部中バレーボール部の吉村はぐみ主将(14)は「広すぎて緊張したけど楽しかった。Vリーガーとしてこのセンターコートで戦えるように頑張る」と夢を膨らませた。

 アリーナは、バスケットボール男子・Bリーグ2部の佐賀バルーナーズ、バレーボール女子・Vリーグ1部の久光スプリングス(鳥栖市)の本拠地として使われる。コンサートなど各種イベントも開催され、土日は24年末まで予約でほぼ埋まっている。(宮﨑勝)

SAGAアリーナのグランドオープンを祝い、4方向を向いて38人で行ったテープカット=佐賀市のSAGAアリーナ(撮影・山田宏一郎)

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