予選会トップ通過は“プラチナ世代” 15歳でメジャー出場ユ・ヘランの軌跡

ルーキーのユ・ヘランに初優勝のチャンスが舞い込んだ(撮影/桂川洋一)

◇米国女子◇コグニザント ファウンダーズカップ 3日目(13日)◇アッパーモントクレアCC (ニュージャージー州)◇6656yd(パー71)

勝みなみ、西村優菜が米ツアーへの扉を開いた昨年12月の最終予選会。8日間にわたる戦いをトップで通過したのは韓国の新たなホープだった。22歳のユ・ヘランは母国で実績を残して新天地に挑戦。6試合目も初優勝のチャンスが巡ってきた。

2001年3月23日の生まれは、2000年5月の古江彩佳や8月の西村と同じ、つまり日本で言う“プラチナ世代”にあたる。驚くべきは2016年、当時15歳にして「全米女子オープン」に出場。予選落ちに終わったが、その後日本女子ツアーにも2試合招待されて出場した。

2019年のプロ転向からミニツアーなどで活躍し、翌20年の韓国女子ツアーで新人王を獲得。一気にスターダムにのし上がったのが同年の「済州サンダースマスターズ」だった。コロナ禍で海外渡航が困難だった夏場、母国で出場機会を求めたコ・ジンヨンやキム・セヨン、キム・ヒョージュ、イ・ジョンウン6といったバリバリのLPGA戦士たちを破ってみせた。

今季出場した5試合ではいずれも決勝ラウンドを戦い、すでに2回のトップ10入りがある。この日は「68」で回って9アンダー2位につけながら「良いところはなくて、悪い方が目立った」と、とりわけアイアンショットの出来に不満げだった。

予選会を1位で突破した際は「現実味がぜんぜんなかった」と笑う。パワーもさることながら「韓国のコースはとても狭いところが多いから、正確なショットが米国でも生きてくれている」と精度の高さがウリだ。「ここはアグレッシブにプレーすればいいわけじゃない。あしたはきょうまでよりも、賢く回りたい」。コースとの向き合い方も、並みのルーキーではない。(ニュージャージー州クリフトン/桂川洋一)

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