今井美樹さん「次は本当に紅花摘みを」 山形・高瀬映画上映会にサプライズ登場

初めて訪れた山形市高瀬地区の印象や作品への思いを語る今井美樹さん(中央)。右は佐藤広一監督、左は荒井幸博さん=同市・高楯中

 おかえりタエ子さん―。山形市高瀬地区を舞台にしたアニメ映画「おもひでぽろぽろ」(1991年、高畑勲監督)で主人公・タエ子の声を担当した歌手で俳優の今井美樹さんが13日、初めて同地区を訪れた。同地区の高楯中で開かれたドキュメンタリー映画「紅花の守人(もりびと) いのちを染める」(2022年、佐藤広一監督)の高瀬映画上映会にサプライズ登場。会場は歓喜と驚きに包まれた。

 上映会は、紅花にまつわる映画を通じ世代間交流を図ろうと、地元有志でつくる「たかせ元気会」(緒方晴英会長)が12年から毎年企画。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となった今年は、「おもひでぽろぽろ」が縁で「紅花の守人」のナレーションを務めた今井さんの来場が実現し、住民にとって思わぬプレゼントとなった。

 今井さんは佐藤監督とシネマパーソナリティーの荒井幸博さんの案内で、タエ子を迎えに来たトシオの車と同じルートでJR山形駅から高瀬地区へ。映画に登場するJR高瀬駅やタエ子が紅花摘みをした畑などを巡った後、会場を訪れた。

 今井さんは、紅花をイメージした赤いスカートで登場。大きな歓声と拍手が沸き起こり、感動の余り涙ぐむ人もいた。今井さんは「初めてだが懐かしい感じがし、本当にタエ子になった気がした。次は本当に紅花摘みもしてみたい」と笑った。高瀬駅では映画と同じ構図で写真を撮ったといい、荒井さんは「まさか今井さんが高瀬に来てくれるとは。高畑監督も(「紅花の守人」のプロデューサーで昨年亡くなった)高橋卓也さんも感激しているはず」、佐藤監督は「実写版もほしいと思った」とそれぞれ話した。

 同会実行委員の沼沢美華さん(49)は「今井さんが高瀬とのご縁を大切にしてくれるのがうれしい。本当によく来てくれた。きらきらしてきれいで、笑顔がすてきだった」と話した。

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