【ポップな心霊論】「親父は、じいちゃんの幽霊に昼夜問わず話しかけていて…」

(イラスト:マユボンヌ)

その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、吉本興業所属の“霊がよく見える”芸人・シークエンスはやとも。『ポップな心霊論』は、そんな彼が人生で見てきた霊たちや霊現象などを紹介していくコラム連載!

【親父とじいちゃんの切なくて悲しい話】

亡くなった親父とその父親、つまり僕のじいちゃんには、血の繫がりがありませんでした。でも、その絆はすごく強くて。

とくに親父からじいちゃんへの愛情の深さには、よく驚かされました。たぶん、小さいころから感じていた寂しさを、初めて埋めてくれた人だったからじゃないかと思います。

じいちゃんがガンになってからも、親父は献身的に看病していて。自宅の一室に引き取って、ずっと面倒をみていました。

そんなとき、家が火事になって。自力で逃げられなかったじいちゃんは、そのまま亡くなってしまったんです。

遺った家族は、新しい家に引っ越したんですが、そこにじいちゃんの幽霊が現れたんです。

親父はすごく喜んで、昼夜問わず話しかけていました。僕には少しずつ見えなくなっていったのですが、親父は何ヶ月間もじいちゃんの幽霊と一緒に過ごしていたようです。

実は、そのころから親父の体調が悪くなってきて。病院にかかるころにはガンになっていました。

きっと、じいちゃんの幽霊の影響もあったと思うんです。どんなに恋しくても、亡くなった人に執着しすぎるのはよくないです。

僕も、お袋や奥さんのことをいちばんに考えようと思っています。

【PROFILE】

シークエンスはやとも

1991年生まれ。吉本興業所属。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などで見せた芸能人の霊視も話題に。自身のYouTubeチャンネルでも心霊話を配信中。本連載をまとめた著書『ヤバい生き霊』(光文社)が発売中。

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