沖縄、日本復帰から51年 「基地のない島」実現遠く

米軍普天間飛行場の移設工事に反対し、キャンプ・シュワブのゲート前で抗議する人たち=15日午前、沖縄県名護市辺野古

 沖縄県は15日、1972年の日本復帰から51年を迎えた。広大な米軍基地に加え、近年は自衛隊基地も強化され、復帰当時に県民が望んだ「基地のない平和の島」の実現は遠い。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する市民らは、埋め立て現場に隣接するキャンプ・シュワブのゲート前の集会で「基地建設を止めるぞ」などと声を上げた。

 14日に宜野湾市で開かれた集会では、主催者発表で約1400人が参加し「沖縄を戦場にさせない」などと訴えた。

 沖縄は復帰後、飛躍的な経済発展を遂げた。復帰時は約96万人の人口が約146万人に増加。2020年以降は新型コロナの感染拡大で打撃を受けたが、22年度の観光客数は約677万人と回復しつつある。

 一方、米軍基地の重い負担は変わらない。県によると、沖縄の在日米軍専用施設は1万8483ヘクタール(21年3月末現在)で全国の70.3%が集中。宜野湾市の普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り県と国との訴訟が続き、1996年の返還合意から27年が経過しても道筋は見えない。

日本復帰51年に合わせて行われた集会で「平和行進」の報告をする長嶺卓弥さん=14日午前、沖縄県宜野湾市
日本復帰51年に合わせて行われた集会で気勢を上げる人たち=14日午前、沖縄県宜野湾市
沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場=13日
米軍普天間飛行場の移設先として埋め立て工事が進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部=2日

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