4選の平塚市長が語る、湘南ベルマーレの新スタジアム構想 「ちょっと無理がある」「一緒に考えたい」

先月行われた統一地方選。神奈川県の平塚市長選では、現職の落合克宏氏がライバルとの一騎打ちを制し4選を果たした。

神奈川県の湘南地域中部に位置する人口25万の平塚市。サッカーでは何と言ってもベルマーレ平塚、現在の湘南ベルマーレが有名で、今もクラブの拠点やホームスタジアム、練習場はすべて平塚市にある。

ベルマーレが経営危機に陥った2000年代前半、平塚市出身の現デジタル大臣・河野太郎氏がクラブの代表取締役を務めていたことも知られている。

そんな平塚市と湘南ベルマーレで最近、新スタジアム構想が大きな話題となっている。

湘南のホーム、レモンガススタジアム平塚(平塚競技場)は1987年に開場。ベルマーレはJリーグ加盟初年度の1994年からここでホームゲームを開催してきた。

しかし、天然芝のピッチこそ現在高い評価を受けているがスタジアムの設計は古く、一部に座席が設置された両ゴール裏スタンドはピッチの遥か彼方。高さも不十分だ。また屋根もメインスタンドの一部にしか存在しない。

そうしたなか、湘南ベルマーレの眞壁潔会長が今年1月の新体制発表において、民間の投資も募って新スタジアムを建設する構想を発表。レモンガススタジアム平塚のある総合公園を第1候補としつつ、交渉期限を区切って他の自治体とも交渉を進めることを表明した。

その後の報道により、クラブは昨年秋から平塚市に対し、サッカー専用スタジアムの建設を提案していたことが明らかに。クラブの発表を受け、平塚の商工会議所やサポーターらは危機感から2月に協議会を設立。「ベルマーレ流出」を回避するため署名活動なども始めている。

こうした動きに対して、選挙前から「戸惑い」を口にしていた落合克宏市長。4選を受けて先日、神奈川テレビ(tvk)の番組へ出演した際、新スタジアム構想について以下のように語っている。

※新スタジアムに関する話題は落合市長の推しである「ツインシティ構想」のあと、動画5分43秒から

「基本的にベルマーレは平塚の宝ですので、そういうお話があったときに新しいスタジアムを作るということになれば、私は平塚以外ではありえないと思っています。

ただし、この構想を具現化していくにはやはりハードルがあると思うんです。それをしっかりとこれから、クラブから提案がありましたので。

今、総合公園にあるレモンガススタジアムの隣に作るということになりますと、市民、特に子育て世代にとって中心的な役割を担っている公園ですし、障がいのある子もない子も遊べるインクルーシブ遊具広場なども作りました。そこに新たなスタジアムを作るというのは、これはちょっと無理があると。ですから、より現実性の高いものをもう一度考えてくださいと、再提案をお願いしている状況です。

しっかりと、一緒になって考えようという姿勢に変わりはありません。ベルマーレと一緒に新たなスタジアムを見据えてしっかり考えていきたいと思っています」

レモンガススタジアム平塚の隣に新スタジアムを建設する構想に関してはかなり否定的な様子。これに対してクラブが再提案を含めどのような判断をするのか注目される。

なお『タウンニュース』よれば、平塚では今週、新スタジアム建設について神奈川県内の事例を学ぶ平塚経進会主催の講演会が行われる予定。

講演会は5月17日(水)18~20時にJR平塚駅すぐそばの「平塚プレジール」にて開催。一般市民の入場可で無料だという(定員約140人)。

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スタジアム建設を進める横浜FCの奥寺康彦シニアアドバイザーと川崎フロンターレ事業本部地域連携リーダー兼等々力プランナーの岩永修幸氏が招かれ、湘南ベルマーレの眞壁会長も登壇するという。

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