タイ総選挙で野党勝利、親軍大敗 政権交代へ連立協議

投票するペートンタン氏=14日、バンコク(共同)

 【バンコク共同】タイで14日、下院(定数500)総選挙が投開票された。選挙管理委員会が15日に発表した開票率99%の途中経過によると、王室改革などを訴える革新系「前進党」が第1党、タクシン元首相派の「タイ貢献党」が第2党となる。野党2党の合計は過半数となる見通しで、焦点の政権交代へ向けた連立協議が本格化する。2014年のクーデターで実権を握った親軍派は大敗した。

 親軍派に対する国民の強い不満が反映され、王室改革など明確な変化を打ち出した前進党が支持された。ただ、立ち位置の違いから野党2党の連立可能性は不透明。親軍勢力が政権内にとどまる可能性や交渉が長期化する恐れもある。

 選管によると前進党と貢献党は小選挙区でそれぞれ110議席を超えている。地元メディアによると比例代表を加えた議席数は前進党が約150、貢献党が約140。プラユット首相の「タイ団結国家建設党」や親軍中核与党の「国民国家の力党」は支持を伸ばせなかった。前進党のピタ党首(42)は15日未明、ツイッターで「首相になる用意がある」と勝利宣言した。

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