豊田章男会長、WRC今季初優勝のロバンペラを祝福「これで心おきなくドリフトを楽しんでもらえる」

 5月11日から14日にかけて、ポルトガル北部のマトジニョスを拠点に開催されたWRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』は、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)の優勝によって幕を閉じた。2022年チャンピオンが待望の今季初勝利を飾った後、同チームの会長も務める豊田章男 トヨタ自動車会長が祝福のメッセージを寄せた。

■ヤリ-マティ・ラトバラ、2年連続で富士24時間参戦へ

 恒例となっているラリー後のコメントでは、チャンピオンとして2023年シーズンに臨むも、これまでなかなか勝てなかったロバンペラの走りに「心配する気持ちもなくなかった」と綴った豊田会長。しかし同時に、GRヤリス・ラリー1のドライブを楽しむ最年少王者の表情から「不安に思うようなこともなかった」と続け、今回の優勝によって心置きなく臨むことが可能になったエビス・サーキットでのFDJフォーミュラ・ドリフト・ジャパン初参戦に向け、日本のファンに最高の横顔を見せにきてほしいと希望を述べた。

 一方、クラッシュにより初日リタイアとなったエルフィン・エバンスと、オルタネーターのトラブルの影響で同じく初日にデイリタイアとなった勝田貴元に対しては「申し訳ない」と謝罪。今後に向けたカイゼンを約束している。

 メッセージの終盤には、ヤリ-マティ・ラトバラTGR WRT代表が、初参戦となった2022年に続き今年もスーパー耐久シリーズ第2戦『富士24時間』に参戦することが“サプライズ発表”された豊田会長のコメント全文は以下のとおりだ。

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豊田章男(TGW WRT会長)
カッレ、ヨンネ、今季初優勝おめでとう!

昨年のように最高の結果にはなかなかつながらないカッレを心配する気持ちもなくはなかった……。けれど、一方で、カッレの走っている姿を見ると昨年と変わらず、とにかく運転を楽しんでいるように見えていたので不安に思うようなこともなかった。そんな想いで今シーズンのカッレの走りを見ていました。今日の勝利は、最高の母の日の贈り物になりましたね。これで心おきなくエビスでドリフトを楽しんでもらえると思います。来週のフォーミュラ・ドリフト・ジャパンでは日本のファンに最高の横顔を見せてきてください。

前回クロアチアで優勝したエルフィンは、出走順が一番の中でも果敢に攻めてくれていました。積極的に攻めてのコースオフだと思います。安心してプッシュできないクルマで申し訳ない。エルフィンがもっと意のままに走らせられるクルマにしていけるよう、一緒に次に繋げていきましょう。

2年連続で4位だったポルトガルで、今年こそ表彰台と気合をいれてくれていた貴元でしたが、クルマにメカニカルトラブルを出してしまいました。本当に申し訳ない。次のラリーに向けてチームみんなで、トラブルの真因をしっかり追求していきましょう。

次のサルディニアに向けて、インターバルは2週間と短いです。その間、チームとクルマ達はポルトガルに残りトヨタ・カエタノ・ポルトガルでメンテナンスをします。カッレは福島に行ってGRカローラでドリフト、他のドライバーたちがどう過ごすかは把握できていませんが、ヤリ-マティ代表はGRカローラで富士24時間耐久に参戦です。このチームがラリーウイークだけでなく世界中のどこかで、トヨタを楽しんでくれているのがなんとも嬉しい気持ちです。

WRCはここから中盤戦、チームみんなでトヨタを楽しみながら最高の結果が出せるよう努力を続けていきましょう!

TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)代表のヤリ-マティ・ラトバラ
2023年WRC第5戦ラリー・ポルトガルで優勝したTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)

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