顔の彫が浅い人は要注意!「眼の日焼け」が白内障やシミの原因に

眼の日焼けが白内障の原因に(写真:PIXTA)

日差しが強くなるこの時期、お肌の日焼け対策だけでなく、眼の日焼け対策も大切。眼に入る紫外線は、白内障などの病気を引き起こす可能性があるのです!

「紫外線が強くなる季節を迎えています。日焼け止めを塗るなど、肌への対策を万全にしている人は多いでしょう。しかし、忘れてはいけないのが眼の日焼け対策です」

このように警鐘を鳴らすのは、戸塚駅前鈴木眼科(神奈川県)の鈴木高佳院長だ。

シミ、皮膚がんなどの原因となる紫外線。気象庁が発表する紫外線量の定点観測データ(つくば市)では、紫外線量は5月から飛躍的に増加し、7〜8月にピークを迎える。すでに注意が必要な時期に入っているのだ。

鈴木先生によると、眼の日焼けはさまざまな眼病を引き起こすという。

「紫外線が角膜に直接当たることで、眼が充血したり、異物感や痛み、まぶしさを感じる“雪眼”といわれる紫外線角膜炎が起こります。さらに、長期間、角膜に紫外線を浴び続けることで、白眼が黒眼を侵食し、視力の低下とともに視界が見えにくくなる翼状片という疾患にもなりやすくなるのです。

また、眼の奥にある黄斑部が紫外線によってダメージを受ければ、視界がゆがんだり、視力が下がったりする加齢黄斑変性の危険もあります。悪化すると失明の危険もあるのです」

眼の日焼けによる病気で特に身近なのが“白内障”だ。日焼けが発症の原因となったり、進行に拍車をかけたりするという。

「白内障は、本来は透明であった眼の水晶体が白く濁ることにより、ものが二重に見えたり、視力が低下する眼の疾患。原因は加齢によるものが多いですが、紫外線に当たることにより白内障の進行を加速させてしまうのです。

また、白内障の20%は紫外線の影響によるものというWHO(世界保健機関)によるデータも。地表に到達する紫外線量が増えている影響もあるのか、高齢者だけでなく、中年層にも患者が多く、40代後半から増えてくる傾向があります」

西洋人に比べ日本人は顔の骨格に凹凸が少ない人が多く、眼に紫外線が入り込みやすいとされる。さらに、眼の色の薄い人は、紫外線によるダメージを受けやすい傾向があるという。

眼にさまざまな害を与える紫外線。眼の日焼けによる病気を予防するためには、どんな対策をすればよいのだろうか。レジャーや屋外での作業はもちろん、ふだんの生活においても気をつけるべきポイントを鈴木先生が解説する。

【1】まばたきを多めにする

「まばたきの回数が少ないと眼が乾燥し、紫外線を通しやすくなります。一方、まばたきを多めにすると角膜がうるおい、紫外線をカットしてくれるのです」

【2】コンタクトレンズはUVカット成分配合のものを

「近年は多くのコンタクトレンズにUVカット成分が配合されており、眼に紫外線が直接入ることを防げます。コンタクトレンズを装着している人は、現在使用しているものに成分が含まれているかあらためて確認してみましょう」

【3】サングラスは色よりも紫外線透過率が重要

「サングラスはレンズの色が濃いものを選べば紫外線カット効果が高いと誤解しがちですが、レンズの色と紫外線カット率は関係ないので“紫外線透過率”の表示を確認して選びましょう。

愛用のモノをやみくもにかけるのは危険。人の眼は暗くなると瞳孔が開いてしまうため、紫外線カット効果のない濃い色のサングラスをかけると、紫外線をより多く取り入れてしまうことになります」

ファッション性で選んだ愛用のサングラスは、いまいちど機能を確認してみよう。

【4】10時から14時の外出には要注意!

「1日のなかでもっとも紫外線量が多い時間帯である10時から14時の外出は特に注意が必要です」

サングラスだけでは紫外線が入り込む隙があるので、つばの広い帽子や日傘など、前後からもしっかりガードしよう。また、曇りの日でも、紫外線は地上に届いているので油断は禁物だ。

【5】太陽を浴びた! と思ったら目薬をさす

「肌同様、うるおいを補給することでダメージをある程度軽減できます。涙液などの成分の目薬を携帯して、こまめにさすのがよいでしょう」

最近はUVケアをうたった眼薬も多種出ているのでチェックしてみよう。

最後に、鈴木先生からこんなアドバイスも。

「眼から入る紫外線が脳に伝達されるとメラノサイト刺激ホルモンが分泌され、メラニン色素を増やす作用が働き、肌のシミやシワなどのダメージにもつながります。美容のためにも眼の紫外線対策は怠ってはいけません」

眼の日焼け対策で、眼も肌も若々しさをキープしよう!

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