東京農工大学科学博物館、明治の植物学掛図をデジタル公開

東京農工大学科学博物館は、同校の前身である東京蚕業講習所時代の植物学教授用掛図8点をデジタルアーカイブで公開を始めた。明治時代以降に教科書と併用して授業の教材に使用されていたもので、明治時代の教育の実態を示す貴重な歴史資料といえる。

東京農工大学によると、8点の掛図は東京蚕業講習所で黒板に掲げて授業に活用されていた。精緻な多色の石版刷りで製作され、東京開成館出版から1902年に発効されている。明治時代に西洋から形態学や生態学の要素を取り入れた新たな植物学が導入された際、教科書には西洋の植物が描かれていたが、国内の植物を描いて教材化した最初期のものになる。

8点の掛図は東京農工大学のデジタルアーカイブ蚕糸学術コレクションに東京農工大学の創設150周年を記念して追加された。東京農工大学は「当時の植物学を実物資料から感じ取ってほしい」としている。

デジタル公開に合わせ、東京都小金井市中町の東京農工大学科学博物館展示室で、8点のうち「植物学教授用掛図第1図花之生態」と「植物学教授用掛図第3図花之形態」が5月末まで無料展示されている。

参考:

【東京農工大学科学博物館】東京農工大学科学博物館デジタルアーカイブ「植物学教授用掛図」公開

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