首相「激甚指定急ぐ」 知事、自民国会議員が要望

 珠洲市で震度6強を観測した地震を巡り、馳浩石川県知事と自民党の県関係国会議員5氏は15日、首相官邸で岸田文雄首相に面会し、早期の激甚災害指定など復旧・復興の支援を要望した。馳知事によると非公開の席上、岸田首相は被災自治体の復旧事業で国の補助率をかさ上げする激甚災害指定について「被害の積み上げの最中であり、急ぐよう指示したい」と述べた。

 要望には早期の激甚災害指定をはじめ、現行では全壊から中規模半壊までが対象の「被災者生活再建支援金」の支援対象の拡大や、被災した家屋の解体撤去への支援拡大、災害時にデジタルを活用して初動対応に当たる「デジタル防災」の珠洲モデルの構築に向けた支援などを盛り込んだ。

 岸田首相は高齢化が著しい地域で2年以上にわたり地震が相次いでいる実情を考慮する必要性があるとの認識を示し、「県や市と情報共有し、速やかに支援したい」と応じた。

 官邸には、岡田直樹地方創生担当相と西田昭二国土交通政務官、宮本周司財務政務官、佐々木紀、小森卓郎の両衆院議員が同行した。馳知事は記者団に「被災した住宅や空き家を放置すれば二次災害の危険性がある。経済的に不安を抱える高齢者が多いので、支援を手厚くしてもらいたい」と述べた。

 馳知事は経済産業省で西村康稔経済産業相(元県商工課長)に被災した中小企業への支援を働き掛け、文部科学省で珠洲周辺を震源とした群発地震の調査研究を進めるよう求めた。

 5日に発生した地震では、県内で1人が死亡し、36人が負傷。住宅被害は700棟を超え、道路ののり面崩落なども確認されている。

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