川勝知事「科学的根拠に基づいていること 伝わっていないのは残念」山梨知事の“不快感”に弁明 リニアトンネル掘削調査めぐり

リニア中央新幹線のトンネル工事に伴い、行われているボーリング調査にめぐって、静岡県がJR東海に対し、地下水の流出を懸念して止めるよう求めたことに対し、長崎幸太郎山梨県知事が不快感を示したことについて、川勝平太静岡県知事は5月15日に行われた定例会見の中で、「科学的根拠に基づいてやっていることが伝わっていないのは、残念に思う」などと述べました。

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山梨県知事の不快感に弁明する川勝平太知事=5月15日午後撮影、静岡県庁

リニア中央新幹線のトンネル工事をめぐっては、JR東海が地質や地下水の状況を調べるため、山梨県側から静岡県側に向けボーリング調査を行っています。

地下水が山梨県側に流出することを懸念する静岡県は5月11日、JR東海に対し、県が合意するまでは県境から約300mまでの区間を掘削しないよう求める文書を出しました。

これを受け、山梨県の長崎幸太郎知事は12日の会見の中で、「静岡県の議論には大変強い違和感を感じている。山梨県内の領域において出た水は、山梨県内の水だというのが常識的な考え方だと思う。今回の対応は筋から大きく外れている」と不快感を示しました。

一方、静岡県の川勝知事は、5月15日の会見で「科学的根拠に基づいてやっているのが伝わっていないことは残念に思う。静岡県の水が引っ張られる可能性を懸念している。専門部会で議論しているので、山梨県と共有したい」と述べ、JR東海に提出した文書を撤回するつもりはないと語気を強めました。

ただ、山梨県に対して事前に報告することなく、JR東海に文書を出したことについては、「今後はこういうことがないようにしたい」と反省の意を表しました。

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