日光の清滝神社で湯立て神事 熱湯浴びて地域繁栄 4年ぶりに伝統の荒行【動画】

ササの束を熱湯にくぐらせて浴び地域の繁栄を願った「湯立て神事」

 熱湯を浴びて地域の繁栄などを祈願する「湯立て神事」が15日、栃木県日光市清滝1丁目の清滝神社で行われた。新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの実施となった伝統の荒行を地域住民らが見守った。

 同神社は820年、弘法大師空海によって創建されたと伝えられ、湯立て神事は創建当初から続く全国的に珍しい神事。煮えたぎる湯をササの束ですくい上げ、しぶきを全身で浴びる。

 この日は雨天だったものの、4年ぶりの神事に多くの地元住民らが集まった。神職の篠田薫(しのだかおる)さん(57)が大釜の湯に清めの塩を入れた後、ササを浸して勢い良く湯をすくい上げた。周囲は一気に真っ白の湯煙に包まれ、神事が終わると拍手が起こった。

 見学に訪れた清滝小6年の小平彩葉(おだいらいろは)さん(11)は「とても迫力があった」と感動した様子で話した。篠田さんは「身体健全や悪いものを取り除いてくれることが御利益なので、神事によってコロナがまん延しないようにと願った」と話した。

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