「縦割り打破で新たな縦割り」 ダブルケア巡り国民・伊藤氏追及 厚労省「育児は所管外」と調査拒否

 15日の参院決算委員会で、国民民主党の伊藤孝恵氏が介護と育児が重なる「ダブルケアラー」の問題を取り上げた。厚生労働省へ事前に質問通告した際、実態把握のために全国調査を実施するよう促したものの、「育児はこども家庭庁の担当になったので所管外。そのような調査はできなくなった」などと拒否されたことを明らかにした。

 伊藤氏は「縦割りを打破するために新庁を設立したのに新たな縦割りが生じるのはおかしい」と批判。「右手で子ども、左手で親のパンツを洗濯し会社では部下ができてプロジェクトも任される」などと自身の経験を踏まえて政府の対応をただし、加藤勝信厚労相は「こども家庭庁と連携して実態把握などを進めていく」と答弁した。

 厚労省は育児と介護のダブルケアを行っている国民の調査を2016年以降行っておらず、当時の調査では全国で25万3千人と推計している。伊藤氏は「子育てと介護を抱える家庭の実態はワークライフアンド『バランス』ではなくワークライフアンド『コンフリクト(紛争)』だ。早急に現状を調査して少子化対策などに反映してほしい」と求めた。

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