環境中の人のDNA抽出、解読 持ち主推定、倫理課題も

2022年6月、米フロリダ州北東部の川でDNA検出のため水を採取する研究者(研究チーム提供・共同)

 【ワシントン共同】海や川の水、砂浜の足跡や室内の空気から人のDNAを抽出して遺伝情報を解読し、持ち主の体質や民族集団を推定することができたと、米フロリダ大などのチームが15日発表した。人は皮膚や唾液の飛散などを通じて知らないうちに環境中に遺伝情報をばらまいており、技術的には個人の特定も可能とみている。

 犯罪捜査や捜索救助活動への応用が見込める半面、少数民族の動向把握など同意なき監視に使われる恐れもあり「倫理的課題の検討を始めてほしい」と政策担当者らに呼びかけた。論文は英科学誌ネイチャー・エコロジー・アンド・エボリューションに掲載された。

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