宇品島を「ロックダウン」 手荷物検査や不審物チェック、高まる緊張 広島サミット主会場のある広島市南区元宇品町

検問所(奥左)の前で手に持つ検査の順番を待つ車の列=画像の一部を修整しています(15日午後3時57分、広島市南区)

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)を前に、15日始まった広島市南区元宇品町(宇品島)への立ち入り制限。検問所では、空港さながらに手荷物検査や警察犬による不審物チェックがあり、緊張感が高まった。検問を待つ車列で周辺道路まで渋滞するなど、市民生活にも影響した。

 「ロックダウン」。午後3時、宇品島につながる南区宇品海岸の市道に警察官の声が響き渡った。伸縮型のバリケードが広げられ、島は「封鎖」された。

 自動車の検問はテント屋根の建屋であり、ドライバーはいったん降車。金属探知機などで所持品や身体の検査を受けた。3レーンあるが、トランクルーム内の積み荷のチェックも受けるため、1台につき数分かかった。検問所のある広場には順番待ちの車が30台近く滞留していた。

 保育園に通う子ども2人を車で迎えて帰宅中の会社員平岡麻衣子さん(36)は「車両証を見せるだけだと思っていたが、予想以上に厳重だった」と驚いた様子。病院で要介護者の送迎を担当する男性(65)は「20分以上待たされている。流れを良くしないと送迎に時間がかかり、高齢者が体調を崩しかねない」と不安そうに話した。

 検問所のある広場に入りきらない車列は近くの広島高速3号下を通る幹線道路にも及んだ。午後5時ごろには少なくとも50台以上が連なった。

 立ち入り制限前に元宇品町での仕事を急いだ人も。換気扇の工事で訪れた南区のリフォーム会社に勤める清水博文さん(39)は「今日までにやらないと元宇品に入れなくなると聞いていたのでスケジュールを調整した」と話していた。

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