今年ふ化のコウノトリ、新型の足輪付けスタート 黒一色、1セット2万円から半額に変更 兵庫・朝来

健康チェックや足輪の装着などがされたコウノトリのひな。東河小学校児童らが見学した=朝来市和田山町久田和

 今年、但馬地域でふ化したコウノトリへの足輪付けが15日、兵庫県朝来市和田山町久田和の人工巣塔で始まった。作業は地元の東河小学校3年生17人が目を輝かせながら見入っていた。一方、足輪は今年から、黒一色に銀色の番号が記されたタイプに変更された。

 この巣塔では、2022年度まで3年連続でコウノトリが巣立っている。現在営巣中のペアは17年に島根県雲南市で生まれた雄と同年に豊岡市出石町袴狭で生まれた雌。当初の雄は2年前に死んでしまい、入れ替わっている。このペアでの産卵、ふ化は2年連続。

 この巣塔で育つひなは1羽で、ふ化から41日目という。県立コウノトリの郷公園の職員たちが高所作業車を使って捕獲。健康状態などを調査した後、足輪を付けた。体重は4.5キロで、個体番号「J0626」が割り振られた。

 見学した児童(8)は「コウノトリはかわいい。これからもしっかり観察したい」と話した。

 同公園によると、4月末時点で国内の野外で暮らす個体は295羽。22年度は80羽が巣立ち、23年度は100羽近くが続くと見込まれるという。従来の足輪は黄や赤、青など5色のうち2、3色に塗られていたが、色の使用が一巡した上、輸入品が1セット約2万円と高騰。新しい足輪は半額程度という。

 この日は、豊岡市出石町森井の人工巣塔でも3羽のひなに足輪が付けられ、地元の小坂小学校児童たちが見学した。(小日向務)

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