埼玉工業大学と深谷グリーンパーク、特産品「ユリ」の茎の再資源化へ共同研究開始

埼玉工業大学と深谷市指定管理施設である深谷グリーンパークは、ユリ切花出荷時に大量発生する茎の再資源化について、2023年4月より共同研究を開始した。

関東農政局の調べによると、埼玉県深谷市はネギと共にユリの生産量が全国で上位を占める一大生産地となっているが、ユリは切花として出荷されるため、茎の部分が大量に破棄されている。そこで、埼玉工業大学工学部生命環境化学科(環境物質化学研究室)本郷照久教授の研究チームは深谷グリーンパークと連携し、ユリの茎の再利用に関して、指定管理者のシンコースポーツと日比谷花壇とチームを組み、共同研究を開始することになった。

本郷教授は、SDGsの達成のため「環境汚染問題」、「廃棄物問題」、「エネルギー問題」、「地球温暖化問題」に着目し、物質化学をベースとしたアプローチによる問題解決を目指している。 近年では、地球温暖化防止のための二酸化炭素の回収・貯留技術、植物資源(バイオマス)から化学製品やエネルギーを生産する技術、汚染水・排ガスの安価で効果的な浄化技術の開発に力を入れ、また、廃棄物をゴミとして処分するのではなく、未利用の資源として活用する循環型社会の形成を目指したシステムの開発も行っている。

今回の共同研究では、本郷教授は環境化学の専門家として、ユリの茎から利用可能な繊維やセルロース等の資源を取り出す技術をサポートする。一方、深谷グリーンパークは、花卉栽培の経験とネットワークを生かし、ユリの茎を供給すると共に、顧客と接する立ち位置を生かした情報収集から、資源化された繊維質やセルロース等の有効利用と製品化を検討する。

参考:【埼玉工業大学】埼玉工業大学と深谷グリーンパーク(アクアパラダイス パティオ)はユリ切花出荷時に 廃棄される茎の有効利用について共同研究を開始しました(PDF)

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