青森県知事選 三村氏、小野寺氏を支持 産業・雇用の政策評価

 三村申吾知事は15日、東奥日報の取材に対し、任期満了に伴う知事選(18日告示、6月4日投開票)に立候補する前青森市長の小野寺晃彦氏(47)を支持することを明らかにした。同じく立候補する前むつ市長の宮下宗一郎氏(44)と、双方の政策を比較検討した結果、特に産業・雇用の政策が明確で具体性がある点を評価した-と理由を述べた。

 三村氏は、就任当時に最も苦労した分野として雇用と財政を挙げ、報道機関の世論調査でも「雇用・経済対策」が重視されていることから、そのテーマの政策を重点的に比較。小野寺氏について「『しっかり稼げる県』を第一に打ち出している。『起業・創業年間400社』にチャレンジする強い意思にも、期待するところ大だ」とした。

 県内6圏域ごとに特性をとらえた振興策を明示している点も評価した。

 一方で後継指名ではなく「自分の1票を投じる先として決めた」と説明。例えば街頭で応援演説に立つなど、今後何らかの支援活動を行うかについては言及しなかった。

 三村氏は「小野寺、宮下両氏ともに青森の未来のためにしっかりと政策を提言されている」と感謝の言葉を述べつつ、「行政職はとことんリアル、結局は実務。だからこそ政策はイメージよりも具体性や実現性を目標と併せて示すことが、県民に対する誠実な姿勢だ」とも話した。

 三村氏は今年1月、県政史上最長の5期20年務めた知事職を任期満了をもって退任すると表明したが、その際、後継指名は行わなかった。その後も、政策を見比べた上で支持候補を決める考えを示していた。

 知事選には2人のほか、元損害保険会社社員の楠田謙信氏(66)、元むつ市議の横垣成年氏(63)が立候補を表明している。

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