青森県知事選 出馬予定の3氏、三沢市で公開討論会 経済、医療、子育て策訴え

知事選立候補予定者3人が出席して行われた公開討論会=14日午後、三沢市公会堂

 日本青年会議所東北地区青森ブロック協議会は14日、任期満了に伴う知事選(18日告示、6月4日投開票)の立候補予定者による公開討論会を三沢市公会堂で開いた。いずれも無所属新人で、前青森市長の小野寺晃彦(47)、前むつ市長の宮下宗一郎(44)、元むつ市議の横垣成年(63)=共産、社民推薦=の3氏が雇用・経済、医療・福祉、人口減少、子育て・教育などのテーマでそれぞれの政策を訴えた。

 公開討論会には、一般市民ら256人が参加。一般社団法人「公開討論会支援リンカーン・フォーラム」の渡邉輝長氏がコーディネーターを務めた。知事選への立候補を表明している元損害保険会社社員の楠田謙信氏(66)は日程の都合がつかず欠席した。

 雇用・経済に関し小野寺氏は「農業算出額3500億円台に向け、スマート農業、高密植栽培、養殖型漁業を支え、効率化・省力化を追求する」と強調。リモートワーク、副業、兼業など新しい働き方を取り入れ、50件以上の誘致企業の新増設を目指すとした。

 宮下氏は物価や燃料費などの高騰を受け、知事を本部長とする「物価高騰等緊急対策本部」を立ち上げ、支援金給付にとどまらない補助策を検討するとした。デジタルトランスフォーメーション(DX)で生産性を向上させ、持続可能な経済を築くと主張した。

 横垣氏は「地元が生み出す富が地元に還元される内発型、循環型の経済に軸足を置く」と展望を述べた。「1次産業従事者や中小企業が、大企業と取引する公正なルールを作り、下請けいじめを是正する」とした。最低賃金の1500円への引き上げも訴えた。

 討論会の締めくくりには、3氏が自由に発言できる時間を設けた。

 小野寺氏は72項目の自身の政策ほぼ全てに数値目標を入れたと説明。「具体的な数字で政策を示しているかを見比べてほしい」と述べた。県内6圏域のバランスの取れた発展も掲げた。

 宮下氏は、リーダーに求められるのは友人や家族のような等身大の存在感だとし、選挙に向けた自身の活動を「政治や行政、選挙の在り方を変えるチャレンジ」と位置付けた。

 横垣氏は「青森県の自殺率やがん死亡率が高いのは、一人一人を大事にする憲法が県政の中心にないから。基本的人権、平和、民主主義を中心に据える県政を目指す」と強調した。

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