空気階段、自身最大規模の全国ツアーが開幕! 互いの“無修正のままでいてほしいところ”とは?

「キングオブコント2021」でチャンピオンとなり、唯一無二の世界観のコントで構成された単独公演が毎年大きな話題を呼んでいる空気階段(鈴木もぐら、水川かたまり)。そんな2人の、自身2度目となる全国ツアー「空気階段 第6回単独公演 『無修正』」が本日5月16日から開催。今年は全国8カ所、約2万人を動員する過去最大規模の公演となっている。

今回の単独ツアーへの意気込みや、各地でやりたいと思っていること、さらにタイトルの「無修正」にかけて自身や相方の“修正したいところ”“無修正のままでいてほしいところ”など、空気階段の2人に現在の思いを聞いた。

――第6回単独公演「無修正」まであと1カ月と少しですね(取材は4月に実施)。準備はどのくらい進んでいますか?

水川 「昨日グッと進んで、全体の19%くらいはできました」

鈴木 「立ち稽古が始まると、さらに進むんですけどね」

水川 「6回目の単独ともなると、これが“いい19”なのか“悪い19”なのかが分かってくるんですよ。今回はいい19です。過去の単独前は、本当は10なのに『19です』と答えたりしていましたけど、今回は本当の19です」

――それは、誰のためのうそなんですか?(笑)。

水川 「本当にそうですよね。意味のないカマシです(笑)」

鈴木 「まあ、初日までには絶対なんとかなるものだから、僕は結構楽観的ですね。ボクサーの減量みたいに『またこの季節が来たか』という感じです」

――空気階段の単独ライブは、公演中も日々変化していきますよね。昨年の「fart」では、初日と千秋楽でネタの順番や内容だけでなく、映像も大きく変化していました。

鈴木 「劇的に変わりましたね。映像の変更は、単独の期間が長かったからこそできたことです。初日には『変えよう』となって、それが(初日から約1カ月後の)福岡公演に間に合った」

水川 「時間がかかっても間に合うのであれば、変えられるなら変えたい。進化させたいんです」

――単独ライブの話から少しそれますが、最近印象に残っているテレビのお仕事は?

鈴木 「やっぱり『キングオブコントの会』(TBS系で3月に放送。『キングオブコント』にゆかりのある芸人たちが、書き下ろしたコントを披露)ですかね」

水川 「めちゃくちゃお金と手間をかけたコントができるのが楽しかったですし」

鈴木 「ホント、相当なんでもありだったもんね。あとスタジオがね」

水川 「そう。去年もそうだったんですけど、ただただみんなで、みんなが作ったコントを見るというスタジオの収録自体がすごく楽しくて。3時間番組なんですけど、あれ3時間10分くらいで撮ってるんですよ。ほぼそのままなんです」

――『キングオブコント』で優勝してからというもの、ますますお二人の仕事の幅が広がっていると思います。行ったことのないところに行ったり、会ったことのない人に会ったりという仕事の変化は、ネタに影響するものでしょうか?

水川 「ああ、あると思います。やっぱり仕事で会った人が印象的だったら『あの人をモデルにしてネタが書けるかも』ということもありますし。単純な話、以前だったらテレビに出る経験自体が少なかったから知らないことも多くて、テレビの収録現場のコントが作れなかったんです。でもこうして経験させてもらうと、なんとなく『こんなふうになってるんだ』ということが分かってきて、そういうシチュエーションのコントが書けるようになりますからね」

鈴木 「そうだね。でも、俺はあったとしても気付かないくらいの変化かなって思ったりもしますね。自然と変化していくというか」

――今回、ツアー1カ所目である、東京芸術劇場 プレイハウスは、今までの中でもかなり大きな劇場ですね。

鈴木 「あの劇場は、キャパが大きいわりにすごく見やすくて。一度『東京グランド花月』という寄席でステージに立った時に、ちゃんとネタが伝わったなという感覚があったので選んだところもあるんですよ」

水川 「そうそう。あと楽屋から喫煙所が近い」

鈴木 「今回は全国8カ所、喫煙所を確認済みなので安心です」

――何よりも喫煙所(笑)。ツアー中「この場所に行ったらこれをしたい」というのはありますか?

鈴木 「仙台のパチンコ屋さんに行きたいです。朝7時から店が開くんですよ。俺、人生でその時間にパチンコを打ったことがないけど、もしかしたらすごく運がいいかもしれないじゃないですか」

水川 「僕は高校の修学旅行が北海道だったんです。その時、富良野でラフティングしたのが僕の人生の最高の思い出なので、またラフティングに行きたいですね」

(ここでマネジャーから「北海道公演の翌日は朝から東京で仕事です」と伝えられる)

水川 「…前乗り、いや、前々乗りしてラフティングします」

鈴木 「じゃあ僕も前々乗りして、札幌競馬場に行こうかな」

――全国8カ所、2万人規模の単独ツアーですが緊張はしますか?

鈴木 「やっぱりしますねえ。僕は初日の開演前が一番緊張します」

水川 「僕も。厳密に言うと、初日のオープニングコント。この舞台に立ってお客さんがいて、という光景をまだ見ていない段階だとどうしてもめちゃくちゃ緊張します。1回でも笑い声が起これば、そこで落ち着くんですけどね」

――もぐらさんの地元である千葉県旭市、かたまりさんの地元・岡山にも行かれますね。地元公演に行く人へのおすすめスポットはありますか?

鈴木 「旭駅の近くに『パールショップともえ』というパチンコ屋さんがありまして、旭市で一番デカいのでおすすめできるかなと思います。早めに来ていただいてちょっと遊んでもらえたら。もし車で来られる方がいたら、『ヴィーナス海上店』というパチンコ屋さんがありまして、そこは僕がアルバイトしていたところです。店長が僕のスロットの師匠なんですよ。本当に出ない店ですけど、よかったら」

水川 「岡山駅の近くにジョイポリスがあって、中・高校生の頃みんなで遊びに行ってましたけど、そこは潰れてしまったので…ビックカメラですかね。東京でも見ないくらい大きいビックカメラ。その横に岡山駅前商店街という商店街があって、そこの商店街を守っている『モモキッド』っていうマスコットに、運がよかったら会えます」

――では、単独ライブのタイトル「無修正」にちなんで、“自分の修正したいところと、“無修正でいたいところを教えていただけますか?

鈴木 「修正したいのは腕の傷跡ですね。2歳の時、おやじが運転する車に乗っていたんですが、窓が開いているのに気付かずに走ってる車から畑に落ちて、複雑骨折した傷があるんです。医者から『腕に傷が2本入る』と言われたのを、母親が頼み込んで1本にしてくれたそうなんですが、それを修正して2本に戻します。お箸みたいでかわいいから(笑)」

水川 「僕は、背中が汚いんですよ。トム・ブラウンの布川(ひろき)さんに会うたびに背中を盗撮されるので、背中を奇麗にしたいです」

鈴木 「布川さんは背中マニアなんだよね。というか、汚いのが好きなのか」

水川 「そう。気付いたら盗撮されて、Instagramに公開されてる」

鈴木 「僕が無修正でいたいのは、ひげですね。高校時代から生えてるから、今さらもう剃れないです」

水川 「僕はまつげですかね。僕、まつげがとてつもなく長いんですよ」

鈴木 「そうだね」

水川 「でも、今まで2000回くらい『まつげ長いね』と言われてきて、それに対する返答で盛り上がったことがなくて。『これだ』といういい返答ができる日までは、このままにしておきたいです」

――では、相方の“無修正のままでいてほしいところはありますか?

鈴木 「僕はあったんですけど、もう修正されちゃったんでね…」

――それは、どこですか?

鈴木 「ハゲです(笑)。相方のハゲが、お薬でだいぶ治っちゃったんで。僕、自分がこんな人間なのに、どうしてもハゲは笑っちゃうんですよ」

水川 「これだけルッキズムどうこうと言われるようになっているのに、ハゲだけはなんか生き残っているところがありますよね。許されているというか(笑)」

鈴木 「面白いんだよなぁ」

水川 「僕は、眉毛なんですよ。もぐらはいつも床屋さんで髪を切ってくるんですけど、半年に1回くらい眉毛を奇麗に“修正”してくるんです」

鈴木 「俺が修正してるわけじゃないよ! おばちゃんに当たると結構修正されがちなんだよな。だいたい寝ちゃうんですけど、パッと起きたらすごく細くなってたりするんです」

――ありがとうございます(笑)。「無修正」というタイトルは、第1回の「mosaique」、第2回の「strip」とつながるようですね。

鈴木 「まさに、僕らの単独も2周目のスタートという感覚で。今までとは違った感じで作っているので、そこを楽しみにしてもらえたらと思いますね」

【プロフィール】

空気階段(くうきかいだん)
2012年にコンビ結成。「キングオブコント2021」チャンピオン。「空気階段の〇山」(BSよしもと)、「空気階段の踊り場」(TBSラジオ)などにレギュラー出演中のほか、「有吉の壁」(日本テレビ系)など出演番組多数。

【公演情報】

「空気階段 第6回単独公演 『無修正』」
5月16~21日 東京芸術劇場 プレイハウスほか全国8カ所で開催

東京公演を皮切りに、札幌、名古屋、鈴木もぐらの地元である千葉県旭市、水川かたまりの地元である岡山、大阪、仙台、福岡の全国8カ所を回る単独ツアー。8月末に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで千秋楽公演を行い、過去最大の2万人規模の動員を予定している。

取材・文/釣木文恵 撮影/Marco Perboni

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