ロッシと組み表彰台獲得のマルタン「バレは完璧な仕事をした」。今季中の優勝にも自信/GTWCヨーロッパ

 チームWRTのマキシム・マルタンは、ブランズハッチで行われたファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第2戦で、ともに表彰台に立ったバレンティーノ・ロッシについて「彼は完璧な仕事をした」と、チームメイトを称えた。

 元MotoGPチャンピオンであるロッシは先週末、今季初開催されたスプリント・カップのレース2でマルタンが予選2列目を確保した後、46号車BMW M4 GT3で2位フィニッシュに導き、同シリーズ自身初となる表彰台を獲得した。

 過去DTMドイツ・ツーリングカー選手権やWEC世界耐久選手権などに参戦し豊富な経験を持つマルタンは、レース2の前半パートを担当。彼はサンテロック・ジュニアとコムトゥユー、2台のアウディ勢の後ろ3番手でロッシにステアリングを託した。

 ロッシがコースインすると46号車BMWは、アンダーカットを成功させたトレゾール・オレンジ1の40号車アウディR8 LMSエボIIに次ぐ2番手に。これ以降、ロッシは3番手に浮上してきた姉妹車32号車BMWと、ガレージ59の159号車マクラーレン720S GT3エボを相手に戦うことになるが、元二輪世界選手権王者は2番手のポジションを守り抜いた。

「最後は本当に激しかったが、彼は完璧な仕事をした」と終盤のロッシの戦いを振り返ったマルタン。

「スティントをとおして彼は競争力があり、ミスをすることもなかった。チームがとても良いピットストップをしてくれたおかげで僕たちは2台ジャンプしたが、同時にひとつポジションを失った。だから最終的には2位だった」

チームWRTの46号車BMW M4 GT3(マキシム・マルタン/バレンティーノ・ロッシ組) 2023年GTWCヨーロッパ第2戦ブランズハッチ

 WRTは表彰台の可能性を最大限に高めるため、ロッシにピレリPゼロDHFの新品タイヤ1セットを与えて最後のスティントに送り出した。レース1ではロッシが予選20番手となり、上位入賞の可能性がなくなったため、ベルギーチームはこの瞬間のために最後の新品セットを残していたのだ。

 マルタンは、チームWRTがアウディからBMWへと提携メーカーをスイッチし、ロッシにとってBMWで迎える最初のスプリント・カップのイベントで表彰台に達するとは予想していなかったと付け加えた。

 またエンデュランス・カップでは、アウグスト・ファーフスを加えたトリオで46号車BMWをドライブするベルギー人は、今シーズン中により高い場所に立てる可能性があるとみている。

「最終的にチームがダブル表彰台を獲得し、バレ(バレンティーノ・ロッシ)がGTワールドチャレンジで初めて表彰台に上ったことは、とても良いことだ」とマルタン。

「良いシーズンのスタートが切れたと思う。昨シーズンはずっと表彰台に上がれなかったから、スプリントの初戦で表彰台に上れたのは本当に良かった」

「このレースを見ていると、僕たちが勝つのもそう遠くないように思った。すべては可能だと考えている」

 ロッシは自身の立場として、GTWCヨーロッパでの初表彰台、そしてドバイ24時間に続くWRTでの2度目の表彰台獲得を「本当に喜んでいる」と述べた。

「僕たちはこの週末をとおして懸命に働き、とくにドライバー交代の練習に力を入れていた」

「それは我々の速いピットストップで報われた。マルタンは予選で素晴らしい仕事し、とても良いポジションで僕にクルマを渡してくれた」

「そのおかげもあったし、僕自身もかなり速いペースを見せることができ2位でレースをフィニッシュできた」

「数週間前のモンツァのように、昨年も何度か惜しい思いをしたので、これは僕にとって重要な表彰台だ」

チームWRTからGTWCヨーロッパに参戦しているバレンティーノ・ロッシ

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