G7首脳、軍縮文書骨子案判明 核不拡散体制の強化明記へ

G7広島サミットの開催を前に、平和記念公園で警戒に当たる警察官。奥は原爆ドーム=16日午後、広島市

 先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)初日の19日に発表する核軍縮に関する成果文書の骨子案が16日、判明した。外交筋が明らかにした。核拡散防止条約(NPT)を核軍縮と核不拡散の礎と位置付け、不拡散体制の強化を明記。核保有国が互いに核戦力を開示して透明性を確保し、核兵器数の削減努力を継続していくことを柱とする。ロシアの核威嚇や中国の核戦力増強など核軍縮に逆行する動きをにらみ、岸田文雄首相が掲げる「核兵器のない世界」へ機運醸成を図る狙いだ。

 NPTは、米英仏中ロの5カ国に核保有を認め、他の国の保有を禁じている。ロシアによる米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)の履行停止や、北朝鮮やイランの核開発、中国の不透明な軍備増強などが相まって核軍縮交渉は進展していない。

 成果文書では、岸田文雄首相が昨年8月に公表した行動計画を歓迎。(1)核不拡散体制の強化(2)核保有国の透明性確保(3)核威嚇や使用に反対(4)核兵器削減の継続(5)各国指導者による被爆地訪問の促進―の5項目を中核として書き込む。

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