軍配差し違えで3連勝 朝乃山「うれしくない」顔しかめ

 大相撲夏場所(両国国技館)3日目の16日、東前頭14枚目の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は、西前頭12枚目の琴恵光(佐渡ケ嶽部屋)に辛勝し、初日から3連勝とした。軍配差し違えでなんとか白星を拾い「自分の中では取り直しか、負けだと思っていた。うれしいとは思えない」と厳しい表情だった。

 思い切り当たって琴恵光をはじき飛ばし、右を差す。左上手を狙うも届かず、それでも強引に前に出続けた。腰が伸びたところで、相手の土俵際の左突き落としを食った。軍配は体が残っていたとして琴恵光に上がったが、物言いがついた。

 長い協議の末、琴恵光の体が飛ぶのが、朝乃山が落ちるよりも先だったとして、軍配が差し違えとなり、朝乃山が3勝目を手にした。ただ、勝ち名乗りを受けた朝乃山は顔をしかめ、険しい表情で花道を引き揚げた。

 取組後、朝乃山は「相撲内容は全然だめだったが、相手に体をぶつけるように押し出したので、精いっぱいやったつもり」と振り返り、切り替えに努めた。

 17日は先場所で敗れている西前頭16枚目の王鵬(大嶽部屋)と対戦する。

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