鹿児島県奄美大島の南に位置する加計呂麻島(瀬戸内町)で、樹齢300年前後のデイゴの花が見頃を迎えた。島の東側にある諸鈍集落の約60本が海岸線を真っ赤に彩る。地元では伝統的な祭りで、国の重要無形民俗文化財に登録される諸鈍シバヤと並ぶ「集落の宝」に位置付けられ、観光客を楽しませている。
集落の徳元区長(65)によると、過去に害虫被害で枯死した木もあったが、10年以上前から害虫の駆除に取り組んで一部が生き残った。近くの老人クラブは毎月、デイゴ並木の清掃や草刈りを欠かさない。
町が立てた看板は「かつて、南から琉球の船がこの赤い花を目印にやってきた」と記す。