青森県内のタクシー、6月15日から値上げ 13.96%、初乗りや運賃加算の距離短く

 東北運輸局は16日、値上げが決まっていた青森県内のタクシーの新運賃を公表した。初乗り運賃の距離などを短くして実質的な値上げを図る内容で、現行からの値上げの割合を示す改定率は13.96%。県内全域が対象で、6月15日から適用される。県内の値上げは2020年2月以来、3年4カ月ぶりとなる。

 タクシー運賃は各事業者が定員や排気量に応じた車種ごとに複数の区分から選ぶ方式で、現行の初乗り料金は普通車が640~670円、大型車が730~760円、特定大型車が800~840円。今回の改定は運賃の金額を据え置き、初乗りの距離を1.2キロから1.0キロに短縮する。

 走行距離に応じた加算運賃も金額を変えずに距離を改める。普通車の上限は257メートルの走行ごとに90円(現行292メートルごとに90円)、大型車の上限は194メートルの走行ごとに90円(現行221メートルごとに90円)、特定大型車の上限は184メートルごとに90円(現行209メートルごとに90円)の上乗せとなる。

 同運輸局によると、JR青森駅から青森市役所まで(1.8キロ)普通車を利用した場合、新運賃の上限は1030円で現行より90円高くなる。JR八戸駅から八戸市庁まで(6.0キロ)は270円高い2470円、JR弘前駅から弘前城まで(3.4キロ)は180円高い1570円。

 タクシーは地区ごとに運賃幅が設定されており、事業者の経営判断だけでは決められない。運賃改定を申請した事業者が所有する車両数が地区全体の7割以上になると、各運輸局が審査手続きを始める。

 東北運輸局は、昨年12月22日時点で車両数の割合が73.03%に達したため、改定審査を開始。業者の収支が赤字だったため、値上げが必要と判断し、適正な利潤を得られる運賃を算出した。

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