青森県知事選、新人4人の争いか 18日告示、6月4日投開票

 任期満了に伴う青森県知事選は18日に告示される。これまでにいずれも無所属新人で、前青森市長の小野寺晃彦氏(47)、前むつ市長の宮下宗一郎氏(44)、仙台市の元損害保険会社社員・楠田謙信氏(66)、元むつ市議の横垣成年氏(63)=共産、社民推薦=の4人が立候補を表明。5期20年務めた現職・三村申吾氏の退任後、県政の課題とどう向き合うか立候補者が政策を競い合う展開となる。投開票は6月4日。

 立候補者がこのまま確定すれば、三村氏が初当選した2003年以来20年ぶりに4人の争いとなる。自民、立憲民主、公明の各党県組織は自主投票を決めており、支持先が割れる分裂選挙の様相も呈している。4氏は既に公約や政策を発表し、物価高騰対策、子育て支援、農林水産業振興などを巡る論戦が事実上始まっている。

 小野寺氏は4月30日に青森市長を辞職して以降、全県規模での支持者回りや街頭活動を本格化。辞職翌日に72項目からなる政策を発表した後は、三村知事のほか自民党の江渡聡徳、木村次郎両衆院議員が支持を表明し、同党県議有志による支援団も発足した。

 3月3日にむつ市長を辞職した宮下氏は、拠点を青森市に移し、各地で集会やあいさつ回りを重ねている。支持を表明した県議や市町村長らの後押しを受けながら、特定の政党組織や業界団体に頼らない草の根の活動を続ける。90項目からなる政策集も発表した。

 楠田氏は選挙初挑戦で、青森市浪岡の妻の実家を拠点に活動を展開していく。告示後も1人で街頭に立ち、支持を訴える予定。会社員時代に県内に勤務した経験があり、1次産業振興による仕事づくりと所得向上策を掲げながら県政の転換を主張する。

 4人の中で最も遅い出馬表明となった横垣氏は共産党籍を持つが、広く支持を得るため無所属で立候補する。市民団体「市民連合あおもり」が青森市長選に擁立する候補と連動する方針で、「自民党の枠内の候補」とする小野寺、宮下両氏と差別化し浸透を図る。

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