「ただでさえ家計は火の車なのに…」東北電力、6月から2千円超値上げ 青森県民嘆き節  

 東北電力が家庭向け電気料金を6月から値上げすることが16日、事実上決まった。標準的な家庭のモデルで1カ月当たり2110円の大幅値上げとなる見込み。物価高の折、さらなる家計負担となるだけに、青森県民からは「ただでさえ家計は火の車。電気料金値上げの追い打ちはきつい」と嘆く声が聞かれた。

 弘前市の鈴木禎子さん(76)は「食品やガス代が上がる中での値上げ。きつい」とため息。節約のため、オーブンなど家電製品のコンセントを小まめに抜いている。「年金は定額なのに生計費が上がっていく。政治家は若者支援に加えて、年金生活者の暮らしにも目を配ってほしい」と訴えた。

 青森市の自営業藤田知憲さん(47)は「電気は生活必需品」として、値上げに一定の理解を示しつつも「食品などと違って、値上げ幅が適正なのか正直よく分からない」と思案していた。

 同市の主婦工藤房枝さん(66)はこの夏、娘の部屋にクーラーを設置する予定。「(電気料金が上がる)このタイミングでとは思うけれど、暑いのもかわいそうだし」と困り顔。「テレビが楽しみの夫に、節約のため消して、とも言えない」と苦笑した。

 大鰐町で4人暮らしをする棟方里美さん(64)は「長く使った家電は電気代がかさむと聞くが、買い換えるにもお金がかかる」と話す。ひと月2万円だった電気料金は、冬を越して1万5千円前後になったという。「やっと下がってきたと思ったのにまた上がるのか」と肩を落とした。

 1人暮らしをしている八戸市の80代無職女性は年金生活のため「ただでさえ家計は火の車。電気代が高くなると苦しい」とぽつり。月々3千円弱だった電気料金は、暖房を切るなどの節電対策を施しても、昨冬は7千円程度まで上がったという。「これから夏が来る。熱中症にならないようにしないと」と話した。

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