著作物の二次利用容易に 改正法成立、付帯決議でAI懸念

権利者不明著作物二次利用のイメージ

 権利者と連絡が取れない映像や音楽などの著作物を二次利用しやすくする改正著作権法が17日、参院本会議で可決、成立した。利用者相談に応じる一元的な窓口組織を設けて手続き負担を軽減。過去の映像作品のデジタル配信や、個人が創作してインターネットで公開しているコンテンツなどの流通を促し、市場活性化につなげる。

 同法では、人工知能(AI)の学習にほぼ無条件で著作物を使え権利侵害が懸念されている。法案審議で参院文教科学委員会は、権利保護の取り組み強化や、文章や画像などを作れる生成AIに関する法律上の課題を議論するよう求める付帯決議を採択した。

 二次利用には著作権者や著作権を管理する団体の許諾が必要。多くの人が制作に関わるテレビドラマなど複数の権利者がいるケースもあり、時間や手間がかかる課題があった。

 分野横断のデータベースを作り、窓口組織で著作権者や管理団体が判明すれば取り次ぐ。窓口組織が探索しても権利者が不明か連絡が取れない場合、著作権使用料に相当する補償金と手数料を納めれば一時的な利用を認める。

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