
熊本県は17日、県庁(熊本市中央区)の敷地内北側に整備した新庁舎「防災センター」の本格運用を始めた。災害対応の部署と、熊本地震で損壊した県央広域本部が入る二つの庁舎の機能を集約。完成式では、蒲島郁夫知事が「九州を支える防災拠点としての役割を担いたい」と決意を述べた。
地上7階、地下1階の鉄筋コンクリート造り。延べ床面積9970平方メートルで約97億円をかけて整備した。 県庁新館10階にあった旧防災センターは熊本地震でエレベーターが停止し、階段での移動を強いられた。新防災センターは災害時に情報収集に当たる執務室や対策本部として活用する会議室などを設置。地下1階から3階までが防災スペースで、従来の3・3倍に広がった。
既に防災関連の業務は始めていたが、4、5階の県央広域本部の移転が完了。地震や豪雨といった災害の歴史や教訓を伝える1階の展示・学習室も、この日、オープンした。
式では関係者がテープカット。新防災センターそばの中庭に、熊本地震の犠牲者らに思いを寄せるために設けた祈念碑も披露され、蒲島知事らが黙とうした。(小山智史)
