全国的に歯止めがかからない投票率低迷。選挙啓発の使命を帯びる各地の選挙管理委員会が採用している手法の一つがオリジナルキャラクターを使った投票の呼びかけです。本コラムでは、2023年5月21日にダブル選挙を控える足立区のマスコットキャラクター「エラビ→」を取り上げます。かわいらしい見た目の裏に隠れた悲哀エピソードは、私たちに1票の大切さを訴えています。
クリクリしたおめめがトレードマークの「エラビ→」
5月21日に投票・開票の足立区長選挙・足立区議会議員選挙は5月14日に選挙期間がスタートしました。区長の任期が統一地方選挙の対象外だったために、区議選と合わせて統一選から外れた日程で同時執行されます。
近年区長選と区議選が同日に行われた2011年以来、投票率は少しずつ減少。前回の2019年には区長選・区議選ともに42.9%で、半数を割り込んでしまいました。
こうした中、選挙啓発のイベントや出前講座で活躍してきたのが、区のオリジナルキャラクター「エラビ→」です。
つぶらな瞳が特徴的な犬をモチーフにしたキャラクターです。区公式サイトによると、「みんながこれ以上『選挙権』を棄てないように、選挙についてお知らせすること」が仕事です。投票を促すためのイベントや出前授業に登場したり、区公式SNSからも情報を発信しています。
名前は「選ぶ」をもじっています。ちなみに、「エラビ→」の最後の伸ばし棒は矢印で、投票率がプラスに伸びていくことを意味しています。
エラビ→の知られざる過去。瞳の奥に潜むのは怨念
エラビ―はバルーンもあり、区主催のイベントなどで展示されています。実はこのバルーンエラビ→は2代目で、2018年度にリニューアルされたもの。
それ以前の初代の姿がこちら。
こ、怖い……。
なぜ、このような子どもが泣き出しそうな姿をしていたのでしょうか?
実はエラビ→には、「棄てられた投票権の怨念が大きくなって生まれた」という初期設定がありました。まさに怨念を具現化した姿はゆるキャラ界でも異彩を放つ存在で、当時はネット上でもちょっとした話題に。
今では、キュートなエラビ→が活躍しています。しかし、足立区だけでなく全国的に投票率が低迷を続けている中では、あなたのまちにも第2、第3の「悲しきエラビ→」が生まれてしまうかもしれません。
悲しきエラビ→が生まれないために、あなたの一票を!
誰しもに平等に与えられている投票権をみんなに行使してもらうため、足立区では様々な取り組みも行われています。
投票日前日の5月20日まで投票できる「期日前投票所」は、区役所などの区の施設に加えて「アリオ西新井」(東武伊勢崎線「西新井駅」徒歩8分)や「シアター1010」(JR・地下鉄「北千住駅」直結)の民間施設でも可能です。通勤・通学のついで、お買い物のついで、入場整理券(いわゆる投票券)が手元になくても区長選・区議選の両方に1票を投じることができます。
今回は、足立区出身の19歳のラッパーRunLine(ランライン)さんに渾身のラップソングを作ってもらい、若年層にも投票を呼び掛けています。
区公式サイトでは各候補者の公約が一目でわかる選挙公報を公開、気になった候補者が実際に話している姿が見られる街頭・個人演説などの情報は各候補者のSNSなどからもチェックできます。
選挙ドットコムでも区長選挙の政策まとめなどを近日中に公開していきますので、投票先を決める際に参考にしてみてください!