東証上昇、終値は3万円回復 1年8カ月ぶり大台

東京証券取引所

 17日の東京株式市場で日経平均株価(225種)は5営業日続けて上昇し、終値として2021年9月28日以来、約1年8カ月ぶりに3万円の大台を回復した。23年1~3月期の実質国内総生産(GDP)速報値が堅調だったのを背景に、新型コロナウイルス禍が和らいで訪日客の消費など景気持ち直しへの期待が高まり、国内外の投資家から買い注文が集まった。

 外国為替市場の円安ドル高進行も追い風になった。日銀の大規模な金融緩和が継続するとの観測が広がり、企業による株主への利益還元策が相次いでいることも投資家心理を支えた。

 平均株価の終値は前日比250円60銭高の3万0093円59銭。トヨタ自動車など輸出関連銘柄がけん引役となって上げ幅は一時272円を超え、3万0115円32銭まで上昇した。

 平均株価の上げ幅は日銀総裁に植田和男氏が就任した4月上旬以降、2400円を超え、過熱感が漂う。大手証券関係者は「米連邦政府の債務上限問題を巡る交渉が難航して米国の金融市場が動揺すれば、日本市場への波及は必至だ」との見方を示す。

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