神経が張り巡らされた箇所を簡単ケア「耳ギョーザマッサージ」でリラックス

「更年期世代の女性から最近よく聞く悩みが『夜、ぐっすり眠れない』というものです。そういう方々は、同時に太ってきたなど体型の変化にも直面しがち。このようなケースでは、私は“耳をマッサージすること”をおすすめしています」

こう話すのは、YouTubeで「40代からの動ける体チャンネル」を主宰するパーソナルトレーナーのみっこさん。主に更年期の女性が抱える悩みにフォーカスした同チャンネルは登録者数66万人を数える。“やせる”を目標にしたみっこさんのメソッドのなかでも好評なのが“耳ギョーザマッサージ”。その名のとおり、自分の耳をギョーザに見立ててつまんだり、ほぐしたりするものだ。

「多数の神経や血管が張り巡らされている耳周辺をマッサージすると、血流が促され、1分も行うと耳のまわりがポカポカしてきます。このとき頭部の血流が促進されることで、そこから全身の血流もよくなり、基礎代謝がアップします。すると、脂肪が燃焼されやすい体になっていくのです」(みっこさん、以下同)

耳周辺のマッサージを就寝前に行うと、血流アップと同時にリラックス効果も得られ、睡眠の質向上にもつながる。

「ぐっすり眠れると、睡眠中に体内で食欲を抑制するレプチンというホルモンが分泌されます。反対にきちんと眠れないと食欲増進ホルモンであるグレリンの分泌が促進されてしまいます。よく眠れないと悩んでいる人ほど過食の傾向にありますが、背景にはこうした要因もあると考えられます」

また、よく眠れた翌日は疲れが取れて元気に活動することができる。日中の運動量が増えれば、ダイエットにはプラスの効果がもたらされる。すなわち、快眠を習慣にすることも“やせ体質”を得るために欠かせないのだ。

耳のマッサージにはほかにもこんなメリットが。

「更年期の女性はホルモンバランスの乱れから、感情の浮き沈みが激しくなり、不安やイライラに悩まされがちです。そんなときには、1分でもいいので耳ギョーザを試してみてください。気持ちが落ち着いてくるのが実感できますよ」

いつでもどこでも取り組めて、ダイエットや快眠につながるとなればさっそく実践してみたい。耳ギョーザマッサージのやり方をみていこう。

4つのステップで耳のコリをほぐしていくが、いずれのマッサージも、強く引っ張ったり押したりはせず、ソフトな力加減で行う。

「まず、人さし指と中指で耳を挟むようにし、手のひらはあごを包むように顔にピッタリとくっつけます。次に、顔の筋肉に接着している筋膜をやさしく剝がしていくようなイメージで、手のひらで円を描いてください。耳の前後がやさしく刺激されて、心地よく感じるでしょう」

次に、手を耳の後ろへ置き、前方へスライドする。

「ギョーザの形になるように耳をたたみます。息を吐きながら行うと、リラックス効果が高まりますよ」

次に親指、人さし指、中指を使って耳を上下に折りたたんで、そのまま耳を回す。

「慣れないために痛みを感じる場合もあるので、最初はやさしく、気持ちいいと感じる程度の力でマッサージしましょう」

最後に、耳を外側へ引っ張る。

「耳の後ろと前の筋膜を剝がすイメージで、ゆっくりと引っ張ります。このとき口を開け閉めすると、同時にあごまわりの筋肉も刺激されるため、顎関節症の改善にもなります」

一連のエクササイズを食後すぐに行うと、血糖値が上がるのを防ぐ働きもあるのだとか。

「耳まわりの筋肉を働かせることで、顔のリフトアップや、ほうれい線が解消するなどの効果を実感される方も多いですよ」

睡眠の質や見た目の印象をアップし、やせ体質になれると、おいしいことだらけの耳ギョーザ。ぜひ一度お試しあれ!

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