富山県内、定点医療機関当たり4.17人 新型コロナ5類後初公表 、1週間推計892人

 富山県は17日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことに伴い、県内48カ所の定点医療機関当たりの患者数を県衛生研究所のホームページで初めて公表した。8~14日の1週間分は4.17人で、前週(1~7日)の3.21人より増えたものの、前々週(4月24~30日)の4.29人からは減った。同研究所は、大型連休明けの感染拡大は起きていないと分析している。

 推計による1週間の新規患者数も新たに発表した。8~14日は892人で、前週の727人と比べ23%増えた。

 48の定点医療機関はインフルエンザの感染状況を調べている医療機関と同じで、内訳は小児科29、内科19。新規患者の推計値は、2022年10月3~9日の週から23年5月1~7日の週までに把握した感染者の全数と、同期間の各定点医療機関からの報告数を踏まえ、補正して算出している。

 同研究所によると、患者数の推計値は前週(1~7日)から165人増えたが、972人だった前々週(4月24~30日)からは減っており、「懸念された大型連休明けの感染拡大は認められない」としている。

 年齢別での推計値では、50代が163人で最も多く、10代が135人、40代が129人と続いた。

大石県衛生研所長、当面は注意継続を

 県衛生研究所の大石和徳所長は、県内の感染状況について「週ごとの感染者が大きく増えていない。第9波が起きているとは言いにくい」との認識を示した。一方で今後、県内に新たな変異ウイルスが入ってくる可能性もあるとし「人混みではマスクをするなど、当面は感染に気を付けてほしい」と求めた。

 大石所長は、人の往来が増える夏の行楽シーズンやお盆などにかけて感染が拡大する可能性を指摘。「現在も数十人の入院患者がいる。今後、推計値が増えれば死亡者も増加する恐れがある」と警鐘を鳴らす。

 定点医療機関当たりの患者数などの新たな指標に関しては「今後の推移に注意し、それぞれの対策の目安にしてもらいたい」と語った。

© 株式会社北日本新聞社