「PGA」と「PGAツアー」は別モノだ/いまさら聞けない全米プロ(1)

◇メジャー第2戦◇全米プロゴルフ選手権 事前情報(16日)◇オークヒルCC(ニューヨーク州)◇7394yd(パー70)

5月18日(木)、ニューヨーク州北西部ロチェスターで「全米プロゴルフ選手権」が開幕します。男子ゴルフ界では「マスターズ」「全米オープン」「全英オープン」と並ぶ4大メジャー大会のひとつ。“プロゴルファー世界一決定戦”の、いまさら他人に聞けないポイントをおさらいします。

PGAオブ・アメリカ≠PGAツアー

主催団体は全米プロゴルフ協会=PGAオブ・アメリカです(撮影/桂川洋一)

一年に4回ある男子ゴルフのメジャー大会は、長い歴史と伝統に支えられたビッグトーナメント。メジャータイトル(優勝)獲得は、プロアマ問わずゴルファーの最高の名誉と言えます。4月のマスターズでおさらいしたように、100年前の男子メジャーはアマチュア競技も含まれていました。女子ゴルフには現在メジャーが5大会あります。

参加者をプロゴルファーに限定した「全米プロ」が始まったのは1916年。奇しくも今回と同じニューヨーク州にあるゴルフ場(シワノイCC)が舞台でした。

ところで、現在のメジャー4大会は主催団体がそれぞれ違います。

マスターズ(オーガスタナショナルGC)
全米プロ(全米プロゴルフ協会=PGAオブ・アメリカ)
全米オープン(全米ゴルフ協会=USGA)
全英オープン(R&A/英国を拠点にする団体)

……といった具合。なんだか堅苦しいですが、それぞれゴルフ界では権威ある団体です。全米プロを主催する全米プロゴルフ協会はゴルフでお金を稼ぐプロゴルファーを対象にした協会。大会にかかる賞金だけでなく、ゴルフを教えることで生計を立てるティーチングプロ、ゴルフショップの店員、ゴルフ場管理者などの資格認定を行う機関でもあります。日本で言うなら、ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)ではなく、日本プロゴルフ協会(PGA)にあたる組織と言えるでしょう。

全米オープンを主催する全米ゴルフ協会の守備範囲はアマチュアゴルファーにも及び、ゴルフのルールづくりも担います。

ちなみに、「全米プロゴルフ協会=PGAオブ・アメリカ」と似て非なるのが「PGAツアー」。1986年、全米プロゴルフ協会から、タイガー・ウッズや松山英樹のように、試合で賞金を稼ぐツアープロの競技運営を担当する団体として独立したのがPGAツアーです(名称が決まったのは75年)。簡単に言うと、メジャー大会以外の、企業名が入った「○○オープン」や「○○選手権」などの試合の主催者。看板大会に「ザ・プレーヤーズ選手権」がありますが、これもメジャーには含まれず、年間約40試合を行うシーズンを形成します。

米国ではそれぞれ「PGA(オブ・アメリカ)」と「TOUR」と呼ぶことで違いをはっきりさせています。

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