禁教期のつぼ、儀式使用か 潜伏キリシタン信仰、長崎

禁教期以前からミサなどの儀式で使われた可能性のあるつぼ(長崎県提供)

 江戸幕府が発布した17世紀の禁教令以降、「潜伏キリシタン」の信仰対象として、長崎市の個人宅に保管されていたつぼの底面に「香油」を表すアルファベットが記されていたことが17日までに、長崎県の調査で分かった。カトリック司教がミサなどの儀式で使う「聖香油」に関連する物として、禁教期以前にも使用されていた可能性がある。つぼは21~23日、市役所で公開される。

 県によると、つぼは中国南部で作られ、16世紀後半~17世紀前半に日本に渡った「華南三彩壺」とみられ、底面に「Escencia」と記載されていた。スペイン語とポルトガル語で「香油」を意味する言葉だった。

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