伝統の舞を奉納 日光山輪王寺で延年舞【動画】

三仏堂で厳粛に奉納される延年舞=17日午前9時、日光市山内

 約1170年前から伝わる秘舞「延年舞(えんねんのまい)」が17日、日光市山内の世界遺産・日光山輪王寺で奉納された。本堂「三仏堂」内で声明が唱えられる中、2人の僧侶が伝統の舞を披露した。

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 同寺によると、延年舞は848年に慈覚大師円仁(えんにん)が伝えた。神仏習合の行事として毎年、同日の日光東照宮例大祭に先駆けて奉納される。ここ3年は新型コロナウイルス禍で参列者なしで実施してきたが、4年ぶりに参列者がいる状態で行われた。

 午前9時ごろ、三仏堂内に設けられた檜(ひのき)舞台で「舞衆」と呼ばれる僧侶2人が上座と下座に分かれて舞を披露。約30人の参列者が見守る中、舞台後方に並ぶ僧侶たちが声明を唱えると、緋(ひ)色の直垂(ひたたれ)などを身に着け、短刀を背中に付けた舞衆が軽やかに舞った。

 上座を務めた輪王寺支院・安養院の畠山慈朋(はたけやまじほう)住職(45)は「皆さまの延年長寿や国家安泰などの気持ちを込めて舞った。4年ぶりに参列者を入れて舞うことができた喜びでいっぱい」と話した。

三仏堂で厳粛に奉納される延年舞=17日午前9時、日光市山内

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