千葉・長生村議長「酔って覚えてない」 女性職員への傷害事件 公用車使用の運用見直しへ 村役場には抗議の声相次ぐ

送検のため警察車両に乗り込む東間容疑者=17日午前8時50分ごろ、茂原署

 公用車を運転していた千葉・長生村職員の女性(27)を殴るなどしてけがを負わせたとされる事件で、傷害容疑で逮捕された同村議会議長、東間永次容疑者(77)が「酔っていて覚えていない」などと事件後に話していたことが17日、複数の関係者への取材で分かった。事件は村役場職員の歓送迎会からの帰りに起きたとされており、茂原署は動機や経緯を調べている。

 事件を巡っては、公務外に公用車を使用していたことも判明している。村は今回の事態を受け、公用車を利用する際に上司の承認を得るよう運用を見直すことを決めた。

 村総務課によると、公用車は39台あり、これまでは職員がパソコン上のシステムで予約すれば、上司の確認がなくても使用できた。

 同課は「公務外での使用は認めていない。(運用が)曖昧だったと言わざるを得ない」と説明。同日、臨時課長会議を開き、運用を厳格化するよう求めたという。

 現職議長の逮捕から一夜明け、村役場には村内外から抗議や問い合わせの電話が相次いだ。旧態依然だと批判する声もあったという。

 同署は同日、容疑者を送検した。午前8時50分ごろ、上下グレーのスエットにサンダル姿の容疑者は署を出て地検に向かった。初めはうつむいて歩いていたものの、警察車両に乗り込む際は報道陣のカメラの方をまっすぐ見据えていた。

 逮捕容疑は4月7日午後10時~同45分ごろ、一宮町内を走行中の車内で、運転していた女性=茂原市=の左腕を殴るなどの暴行を加え、全治約2週間の軽傷を負わせた疑い。

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