18日から、東京都内でローイング(ボート競技)の全日本選手権が始まります。去年、男子が創部史上初めて日本一に輝いた愛媛県の今治造船ボート部。男女ともに期待の新人が入り、男子は連覇を、女子は初優勝を狙います。
今治造船ボート部は、シーズン中、午前8時から午後3時までそれぞれの業務に取り組んだ後、今治市内の玉川ダム湖へ移動し、日が沈むまで練習に励んでいます。
仕事と両立しながら活動を続ける今治造船ボート部は、去年、男子4人で漕ぐクオドルプルで創部史上初めてとなる全国制覇を成し遂げました。
選手は全員、地元・今治出身。優勝メンバーのうち1人は昨シーズン限りで第一線を退きましたが、この春、スーパールーキーが入部しました。
越智竣也(おちしゅんや)選手です。愛媛県立今治西高校で国体優勝、早稲田大学でもトップ選手として活躍しましたが、ボート部のない東京の企業から内定を得て引退を考えたといいます。
越智竣也選手(22)
「高校の頃から知っている選手がいたりとか、憧れの先輩からの誘いもあったので、誘われた時点で社会人でも戦ってみたいという思いが出てきたので続けることにしました」
先輩からの刺激も受け、故郷で一つ上のステージに臨むことを決意しました。
越智竣也選手(22)
「プレッシャーは正直あるんですけど、会社の方々の期待もありますし、責任感を感じて2連覇を必ず達成したいと思っています」
男子は若い力も武器に、連覇に挑みます。
さらに、頂点を狙える2人の女子選手も今造ボート部の門をたたきました。西彩里佐(ありさ)選手と大松花帆奈(かほな)選手です。
西彩里佐選手(22)
「もともとは地元でボート漕ぎたい気持ちがあったので、大学でその気持ちが続いていたので、戻ってきました」
大松花帆奈選手(22)
「会社の方たちがすごく応援してくれる環境だし、とにかく頑張って成績を出して喜んでもらいたいというのがある」
今治南高校の同級生で、ペアも組んでいた2人は、インターハイや国体など全国の頂点まであと一歩…。大学は別でしたが、競技への熱い思いが2人を社会人の舞台で再び結び付けました。
4年のブランクを感じさせない息の合った漕ぎで、悲願の日本一へ挑戦です。
西彩里佐選手(22)
「高校時代に2位で終わっていたことは少し後悔もあったので、社会人で2人で1位を取れたらいいかなと思っています」
大松花帆奈選手(22)
「本音でものを言える部分もあるので、お互いの知っているところを上手く出せたらいいなと思います」
全日本選手権は18日から、東京オリンピックの会場にもなった海の森水上競技場で開催され、男女とも順調に勝ち上がれば21日(日)に決勝を迎える予定です。