アユ釣りスポット興津川に異変 台風の爪痕深く「釣り場が少なくなっている…」=静岡

今週末の5月20日にアユ釣りの解禁を迎える静岡市清水区の興津川にいま異変が起きています。2022年の台風によって川のコンディションが激変し、アユが今まで通り釣れるのか、関係者が気をもんでいます。いったい何が起きているのでしょうか。

国内有数のアユ釣りスポット「興津川」。5月20日に控えるアユ釣りの解禁日を前に、アユの生育状況を確認する試し釣りが行われました。

<試し釣りした人>

「成長がイマイチだけど、これから順調に大きくなってくれると思うが」

この興津川、今シーズンはかつてない危機に襲われています。22年9月の台風15号。記録的な大雨によって興津川は増水し、大量の土砂や流木が流れ込みました。8カ月近くたった今もその爪痕は深く刻まれたままです。

<坂口将也記者>

「興津川の上流部に来ています。川の水は茶色く濁っていて、現在も復旧工事が進められています。また台風の際に流れ込んできた土砂が今も堆積して残っています」

透明度の高く綺麗な水が特徴の興津川ですが、17日の川の様子を見るとかなり濁っていることが分かります。この「濁り」がコケを主食とするアユにとって厳しい状況を生み出しています。

<興津川非出資漁業協同組合 前澤元次組合長>

「(川が)濁るということはその中に小さな石などが流れてくる。(アユが食べる)石についたコケを洗い流してしまう。そうなるとアユが食べるエサがなくなり成長に影響が出てしまう」

こちらは中流の川の中です。上流よりも透明度は高いですが、本来あるはずのコケが石についていません。川の状況を見に来た昔からのアユ釣りファンも嘆きます。

<藤枝から様子を見に来た釣り人>

「釣り場が少なくなってきている。どこかで場所を見つけてやるしかないかな」

エサ不足は深刻で17日の試し釣りの結果、例年に比べアユの成長がいまひとつ伸び悩んでいることが判明しました。いつも通りアユ釣りは楽しめるようになるのか。地元の漁協は川のコンディションが回復することを祈りながら、週末の解禁日を迎えます。

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