2代目社長 事業継続の経験紹介 岡山でセミナー、挑む大切さ訴え

 中小企業の事業継続に向けたセミナー(山陽新聞社広告本部主催)が17日、岡山市北区柳町の同社さん太ホールで開かれた。父親の急逝に伴い、金属加工メーカー・ダイヤ精機(東京)を突然継いだ諏訪貴子さん(52)が講演。試行錯誤を重ねながら自分の経営スタイルを築いていったことを話した。

 諏訪さんは2004年、32歳の若さで2代目社長に就任。当時の心境を「父を亡くした悲しみより困惑が先。従業員や家族の生活を引き受けるのが怖かった」と振り返った。皆が納得する経営方針を示すため、父親の代のトップダウン型からボトムアップ型の組織に変えていったとし、社員とのコミュニケーションの重要性を強調した。

 職人気質のベテラン社員の意識改革や、社の年齢構成を若返らせるため若者向けの求人活動を展開したことなど、手探りの運営だったことを紹介。「わが社では『失敗』という言葉は使わない。何事もチャレンジ」と前向きな姿勢の大切さを訴えた。

 セミナーを協賛する不動産コンサルティング・ボルテックス(東京)の水口清貴常務執行役員による講演もあった。約90人が聴講。オンラインでも配信された。

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