新型ムーヴが受注開始! 価格から機能&装備まで完全ガイド

ダイハツ 新型ムーヴはディーラー(販売店)の情報によると2023年5月から価格を明らかにして予約受注が行われています。メーカーからの正式発表は6月19日の予定で、7月に入ると生産と納車が開始されます。今回はそんな新型ムーヴの価格やボディサイズ、装備、気になるスライドドア搭載やハイブリッドの追加などについて、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが販売店で得た最新情報を元に解説します。

ダイハツ 新型ムーヴ/ムーヴカスタム 試乗レポート ダイハツ 新型ムーヴ X“SA III”[2WD/ボディカラー:プラムブラウンクリスタルマイカ]

新型ムーヴのグレード構成と価格

※画像は現行ムーヴ

新型ムーヴの主要諸元(ボディサイズなど)

※画像は現行ムーヴ

新型ムーヴの主要装備

※画像は現行ムーヴ

全車標準装着

衝突被害軽減ブレーキ、サイド&カーテンエアバッグ、LEDヘッドランプ、左右分割ロングスライドシートなど

X以上のグレードに標準装着

キーフリーシステム、プッシュボタンスタート、左側スライドドアの電動機能など

G以上のグレードに標準装着

電動パーキングブレーキ、アダプティブドライビングビーム、純正ナビ装着用アップグレードパック、TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ、エアロパーツ、サイドストーンガード、14インチアルミホイールなど

RSに標準装着

アダプティブクルーズコントロール、右側スライドドアの電動機能、15インチアルミホイール、スポーティサスペンションなど

ディーラーオプション

ブラインドスポットモニターなど

新型ムーヴの発売時期|すでに予約受注が開始! 7月から納車が開始される

※画像は現行ムーヴ

今のダイハツでは新型タントの販売台数が最も多いですが、背の高い軽自動車の主力車種はムーヴです。初代ムーヴは1995年に発売され、スズキ ワゴンRと並んで、車内の広い軽自動車を普及させました。

2023年にはムーヴのフルモデルチェンジが実施されます。現行型の発売は2014年ですから、9年ぶりの全面改良です。

販売店では、2023年5月中旬から、価格を明らかにして予約受注が行われています。

正式な発表は6月19日の予定で、7月に入ると生産と納車が開始されます。販売店によると「試乗車が入るのも7月から8月」とのことです。

新型ムーヴのグレード構成|標準とカスタムには分かれず4つのグレードが用意される

※画像は現行ムーヴ/現行ムーヴカスタム

新型ムーヴの各種データは先に挙げた通りです。以前は標準ボディとカスタムに分けられましたが、新型にシリーズの区分はありません。

それでも標準ボディのLグレードとXグレード、エアロパーツやアルミホイールなどの外装パーツを装着したGグレードとRSグレードが用意されます。

合計4グレードで、エンジンはLグレード/Xグレード/Gグレードがノーマルタイプ、RSグレードはターボです。駆動方式は、すべてのグレードで前輪駆動の2WDと4WDを選べます。

新型ムーヴの変更点|後席側のドアがスライド式に変更

※画像は現行ムーヴ

新型ムーヴで最も注目すべき点は、後席側のドアがスライド式に変更されたことでしょう。開発者は以前から「今の軽自動車のお客様は、スライドドアを希望されることが多い」と述べていました。ムーヴシリーズにも、スライドドアを装着するモデルとして、派生車種の新型ムーヴキャンバスが2022年7月より発売されています。

新型ムーヴキャンバスは、設計が新しいこともあって販売が好調で、ムーヴ全体の約70%を占めています。そこでいよいよ、新型ムーヴもスライドドアを装着することになりました。

なお、この記事に使われている写真は現行型ですが「新型ムーヴ」で画像を検索すると、スライドドアを装着した新型ムーヴのカットがアップされています。この画像も参考にしてください。

新型ムーヴのボディサイズ|新型ムーヴキャンバスと同等のサイズ

※画像は現行ムーヴカスタム

新型ムーヴの全長と全幅は、軽自動車なので規格枠いっぱいの数値で、ほかの車種と共通です。新型ムーヴの全高は1655mm、ホイールベースは2460mmとされ、この数値は現行ムーヴとは異なりますが新型ムーヴキャンバスと等しいです。

さらに新型ムーヴのスライドドアの開口幅は595mmですので、これも新型ムーヴキャンバスと同じです。前後席に座る乗員同士のヒップポイント間隔は、新型ムーヴは現行型よりも25mm広がって1055mmになります。足元空間は従来以上に広々としており、このヒップポイント間隔もムーヴキャンバスと同程度です。

以上のように新型ムーヴは、新型ムーヴキャンバスをベースに開発されています。以前はムーヴをベースに、フロントマスクなどの外観を柔和な雰囲気に変更して、スライドドアを装着するムーヴキャンバスが造られていました。それが2代目の新型ムーヴキャンバスと新型ムーヴでは、開発の順序が逆になっています。

新型ムーヴの外観|新型ムーヴキャンバスよりもスポーティな雰囲気

※画像は現行ムーヴ

新型ムーヴと新型ムーヴキャンバスを比べると、ボディ各部の数値は同じでも、デザインは明らかに異なります。

新型ムーヴのフロントウィンドウとフロントピラー(柱)は、新型ムーヴキャンバスよりも角度が少し寝ています。ボンネットも前側へ少し傾斜しており、新型ムーヴは鋭角的でスポーティな雰囲気です。

新型ムーヴの内装|新型ムーヴキャンバスに比べて一般的な機能が備わる

※画像は現行ムーヴ

新型ムーヴの車内に入ると、インパネの形状も新型ムーヴキャンバスとは異なります。ムーヴキャンバスは水平基調を強めて開放的ですが、新型ムーヴは立体的で、囲まれ感が伴います。

そして新型ムーヴキャンバスは、後席の下に引き出し式の収納設備が装着されました。引き出した状態で、ついたてを持ち上げてバスケット状にすると、買い物袋がスッポリと収まって走行中に倒れにくいです。

一方、新型ムーヴの後席は買い物袋をおさめるような機能がありませんが、コンパクトにたたむことができます。

つまり新型ムーヴの機能は、スズキ 新型ワゴンRにスライドドアを装着したスズキ 新型ワゴンRスマイルに近いです。新型ムーヴキャンバスに比べると、機能が一般的で、幅広いユーザーに適しています。

新型ムーヴのグレード構成|Xグレードは実用重視の装備を備える

※画像は現行ムーヴ

新型ムーヴの装備は、安全装備や運転支援機能が進化しています。衝突被害軽減ブレーキの上限速度は、現行ムーヴは時速80kmですが、新型は時速120kmまで作動します。

グレード構成は先に示した通りで、Lグレードの装備はシンプルです。スライドドアの電動開閉機能などが装着されず、レンタカーや法人ユーザー向けのグレードになります。

一般的なユーザーの選択はXグレード以上でしょう。Xグレードの価格はLグレードに比べて12万6500円高いですが、実用重視のユーザーに適した装備が加えられています。

そしてハイビーム状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑えるアダプティブドライビングビーム、電動パーキングブレーキなどの上級装備、エアロパーツやアルミホイールといった外装パーツが欲しいユーザーには、Gグレードがピッタリです。価格はXグレードよりも21万4500円高いです。

長距離ドライブにはRSグレードがおすすめ!

※画像は現行ムーヴカスタムのターボエンジン

長距離ドライブに出かける機会が多いなど、動力性能の高いターボエンジンが欲しいユーザーにはRSグレードです。最大トルクはノーマルエンジンの1.7倍に増強され、高速道路や峠道を走ると動力性能の違いを実感できます。

RSグレードの価格はGグレードに比べて17万6000円高いですが、運転支援機能のアダプティブクルーズコントロール、右側スライドドアの電動機能なども加わるため、動力性能を向上させたいユーザーには買い得です。

新型ムーヴと新型ムーヴキャンバスの価格差|価格を据え置き買い得度を高めた

※画像は現行ムーヴ

新型ムーヴのグレード構成と装備内容は、新型ムーヴキャンバスに近いです。新型ムーヴ Xグレードは新型ムーヴキャンバス Xグレード、同様に新型ムーヴ Gグレードと新型ムーヴキャンバス Gグレードも装備が似ていて、新型ムーヴ RSグレードは新型ムーヴキャンバス Gターボグレードに相当します。価格もGグレード同士で比べると、新型ムーヴと新型ムーヴキャンバスはほぼ同額です。

新型ムーヴの進化|今後ハイブリッドが追加される

※画像は現行ムーヴカスタム

なお2023年の末までに、新型ムーヴにはハイブリッドも加わります。簡易型で燃費向上率の低いマイルドハイブリッドではなく、ダイハツ 新型ロッキー&トヨタ 新型ライズと同様のeスマートハイブリッドになります。エンジンは発電、モーターが駆動を行うため、日産のe-POWERに近いシステムです。

ハイブリッドは、WLTCモード燃費が30km/Lを上まわる可能性が高く、価格は約20万円の上乗せに抑えられる予定です。Gグレードに相当するハイブリッドが約183万円になるため、ハイブリッドGグレードとターボのRSグレードをほぼ同じ価格で選べるようになります。

以上のように、新型ムーヴは、スライドドアを装着しながらダイハツ 新型タントや新型ムーヴキャンバスとは異なる機能と価値を備えています。ハイブリッドを含めて、好調に売れることでしょう。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:MOTA編集部】

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