ウクライナ負傷兵受け入れへ 6月にも、自衛隊病院で回復治療

ウクライナ東部ドネツク州バフムトで治療を受けるウクライナ兵=4月(イリーナ・リバコワ撮影、AP=共同)

 政府は、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援の一環として、負傷兵を日本で受け入れる方針を固めた。6月にも数人を自衛隊中央病院(東京)で引き受け、リハビリ治療などに当たる。近く発表する。複数の関係者が17日、明らかにした。自衛隊が外国軍兵士の治療に当たるのは異例だ。19日からの先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に向け、従来より踏み込んだ支援姿勢を示す狙いがある。

 米欧はウクライナに長距離砲や戦車などを提供して戦闘を支援しているが、日本は武器輸出に制約があり、防弾チョッキなど殺傷能力のない装備の供与や人道援助にとどまっている。負傷兵受け入れは、隊員の診療に支障がなければ防衛相の判断で可能とする規定に基づくとみられるが、兵士が回復して前線に復帰すれば戦闘力の支援とも解釈でき、慎重な運用も求められそうだ。

 自衛隊中央病院は、陸海空3自衛隊共同の総合病院。政府は、地雷などで負傷した兵士の治療やリハビリを想定している。

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